出産 ページ42
仕事が忙しくなった旦那さん
そりゃもちろんそうだよね
だって次期社長なんだもん
出張もあるし
残業で遅く帰ることだってあるし
私は寂しく思うこともあるけど
生まれてくる子どものことを考えながら
定期的に病院に行ったり
妊婦さんがするヨガをしたり
たまにマタニティの服を買ったりしている
どんなに忙しくても
流星さんは私のことを愛してくれているみたいで
起きているときはキスとハグをしてくれる
徐々に大きくなってきたお腹を見て
お腹の音を聞いたり
冷えないようにしてくれて
本当に優しい
いいパパになってくれそう
そしてやっと10ヶ月目が来ました
生まれてくる子どもは男の子と聞いた
名前の候補はいくつかあって
顔を見て決めるらしい
子ども服や肌着などたくさん今までお世話になった方たちに頂いて
ついにその時が来た
『ん、痛たたた…』
なんだか今日はすごくお腹を蹴ってるような気がして
お腹が痛い
それは時間を置くごとに頻度が増してくる
痛くてちょうど休みだった流星さんと病院に行くと
見てもらってる時に破水した
すぐに分娩室に連れていかれて
そのまま
「おぎゃあっおぎゃぁっ！」
子どもを出産しました
痛くてしんどくて辛かったけど
子どもが無事に産まれて
頑張ってよかったって心の底から思った
産まれた子どもを見て涙が出た
夢が叶った瞬間だったから
流星さんも立ち会ってくれて
私を抱きしめてキスをしてくれた
赤ちゃんはすぐに体を綺麗にしてもらって赤ちゃんたちがいる部屋に連れていかれた
私は疲れて眠った
目を覚ました時
まだ気だるい感じがしたけど
私の隣で小さな赤ちゃんが眠っていて
すごく可愛くて
抱っこすると
私だってわかっているのか安心したように眠り続けるから
この子を絶対に大事に育てようって心からそう思った
初めて母乳を飲ませた後
抱っこしていると
青「めっちゃ可愛い…A、ありがとな？」
感謝されて
『ううん、私の方もありがとう、夢が叶った』
感謝した
『この子、流星さんに似てる』
青「この子の名前は…星空と書いて『かなた』や」
青「俺の星もついてるし、いくら暗いところでも光照らしてくれるいちばん星のようになってほしいから」
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作者名：AB
| 作成日時：2019年3月18日 10時
