ちびっこ2

健気な女の子 ページ7

淳太side


新学期で環境の変化からか
そろそろ子どもたちが疲れてくる頃や


怪我には、十分気をつけなあかんな



そんな中
早速とも君が発熱でお休み


あらま…珍しいな


新しい環境で疲れてしもたかな？



園庭に出て子どもたちとあそんでると
園庭の隅っこでお花を摘んでるAちゃんを発見



淳「Aちゃん何してるん？」


『あ、淳太せんせー…今お花摘みしてるんっ』


淳「お、可愛いお花たちやね」

『うんっ、とも君お熱出たからお土産やねん…早く良くなりますようにって』



健気っ！



なんて健気なんやっ！


淳「とも君おやすみで寂しい？」


『寂しい…せやから、お土産渡すねん』


淳「そいう時は"お土産"やなくて"お見舞い"って言うんやで…でもええんちゃう？喜ぶと思うわ」



『お花と一緒にお手紙も渡したいからせんせー書いて』



淳「え？」



『まだ文字書けへんから、せんせー手伝ってくださいっ』



テラスに置いてある紙と色鉛筆を持ってきてテーブルで絵を描き始めた



何やら可愛い女の子と男の子
そしてお花とハートを描いてる



『この男の子の上に"とも君"って書いて…女の子は"A"ね』


淳「おん…はい、書いたよ」


『で、1番上に、"早く良くなってね" "ともくん大好き"って書いて』



言われるがまま書いてあげれば

満足そうに笑って


丁寧に四つ折りにして

『ここに"とも君へ"って書いて』


淳「これでいい？」


『うんっ、せんせーおおきにっ』


手紙をリュックにしまって

摘んだお花を包装紙でクルクルって
お花屋さんがやってるみたいにしてテープで止めてた



『夕方までこのままで平気かな…枯れるかな…』


淳「心配なら、お水につけとく？」


『うんっ、お水につける』


部屋の端っこに小さな小瓶を用意して
そこに水を入れて花束を挿しておく


『帰り忘れへんようにせなっ…せんせーも覚えといて』

しっかりしてるわこの子



淳「わかった。覚えとくな？」




『うんっ』





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