伏黒甚爾は恩人でした

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きっとこいつは何かしらの後悔が生まれる




自分の理想論に向かって歩くことに対しての後悔はなかったとしても、共に過ごしてきた仲間を裏切り離れ、追われる者として生きることは想像以上に辛いものだ





それにこいつは人と一緒に過ごしてきた。同じような力を持ち、対等にやり合える親友がいるのに、裏切ってしまえば間違いなく後悔する





周りに人がいる環境が当たり前だった奴が突然、限られた者だけになった寂しさはなかなか埋めることが出来ない






『どんな方法でもその子らを殺す』





夏油傑は親切だからその後ろで村から出れたのと私の殺気の恐怖ですっかり怯えきった子供たちを少し借りる






きっと夏油傑は下がってくれるはずだ





「私がここから立ち去り今後一切人を殺さなければ、この子達に手を出すことはないのだよね？」






『うん。罪のない子供を無闇に殺すような馬鹿じゃないからね。それくらい守るよ』







「わかった」






彼が抱える問題は私たちが考える以上に苦しいものだろう。だがそれは彼だけが味わったものでは無い





『あんたはきっと呪霊を飲み込む動作をするのは自分だけだと思ってるだろうけど、そんなことないよ。私も、甚爾さんも経験した



あんたの辛さは計り知れないものだと思うけど経験してるのは自分だけじゃないって知っといて




これからはその子らがあんたの力になってくれるんじゃない？だからちゃんと守ってあげてね』






まるで10年前の自分を見ているようで親近感が湧いた。あの子たちを幸せにしてあげたい




私と同じような想いをして欲しくない。ただそれだけ





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