伏黒甚爾は恩人でした

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甚爾さんが死んで長い月日が経った。私は時雨さんに言われた仕事をしながら簡単なアルバイトをしている






遺品のほとんどは禪院家に盗られてしまい残ったものは極わずか






酷い扱いを散々してきたのにちゃっかりもらっていくなんて笑える







そして今は産土神信仰の土地神がいる場所にいる





『あの服…』





「あぁ。呪術高専の制服だ」




『へぇー。大変そうだね』






ハッキリは見えていないが音や感覚で2人、そのうち1人は重症なのだろう。動きが鈍い






「悩んでるのならば動け。あいつも言ってただろ、助けてやれって」






『よりによって高専生なんか』






「目の前で自分が殺した以外の人間が死ぬのを見てられるのか？」







図星だ、自分が殺した人間を見るのはなんの苦も感じられないが殺されたのを見るのは好きでない






だからといって甚爾さんを殺した五条悟と仲間の高専生を助けることはしたくなかった。まるで私があいつに怯えてるように感じた





「俺はなにもしないがな。目つけられるのはゴメンだ」





そう言うと九尾は産土神にバレないように消えた




私もその後をついて行こうとしたのにできなかった





「見過ごすのか？」





どこかで甚爾さんの声が聞こえた





『あー！もう！どうにでもなれ！』





木から飛び降りると金髪の少年に当たりそうだった打撃を止める







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