伏黒甚爾は恩人でした

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Aはじーっと五条悟の瞳を見つめていた。彼女は彼の澄み渡る碧をここまでかと言うくらいまで近づかないと見ることが出来ない





近づいてもみんなが見えてるような碧色には見えていなかった






「そんなに僕の目が気になる？」





『うん』





「はい」





五条は気を利かせ、彼女が見やすいように少し屈んでくれる





『どーぞ』





「ありがとう」





目隠しを返し、その異様な状況に生徒は無言のまま唖然としていた





『満足した。殺していいよ。処刑対象でしょ？』





五条にそう言うと彼はふっと笑う





「まさか自分から来るとは思わなかったよ。逃げ足は速いし、居場所は掴めないからなかなか見つけられなくて困ってたんだけど、来てくれるのは嬉しいね



だけど僕は君を殺すことはしないよ。実行人は僕だし殺る気がないから殺らない」






『なんで？』






「Aには色々と感謝するべきことがあるからかな」





『人を沢山殺してきたよ？』






「それは知ってる。でも生徒たちを助けてくれたこともあるし、君の狙ってる人物は偏ってる。事情があるんでしょ？




それに僕はあいつから頼まれてんだよね。Aに信頼と愛情を教えてやれって





目の前で大切な人を殺した以上、さすがに僕も罪悪感はあるからAを守ろうと思ったんだ





ひとりの君に人と関わる大切さや楽しさを知ってもらおうと」









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