伏黒甚爾は恩人でした

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「おら、飯だ、食え」






出されたものを見てあの村では出してくれないような豪華なご飯だった。目を輝かせる私を見て男の人はククッと笑う






「珍しいもんか？ただのチャーハンだろ」






チャーハンというものなんて知らないし、どうやって食べるのかも私には分からなかった





目の前に置かれた丸い棒みたいなものを不思議そうに眺めていると男の人は呆れたように言う







「まさかお前食い方も知んねぇのか？いくつだよ」






『12』






歳だけはちゃんと知っていた。ご飯を渡し来る人がそんなことを言っていたからだ






「はぁ…。こりゃ世話がかかるな」





「俺のマネしろ。これはスプーンって言うやつだ」





男の人はスプーンというものを使って上手にチャーハンを食べた。私も見よう見まねで食べてみると今まで味わったこともない味でおもわず目を見開く






「こういうときは美味しいって言うんだ」






『美味しい…』






私がチャーハンを食べ終える頃に男の人はまた口を開く






「気になってたんだがお前の後ろにいるやつお前見えてんのか？」






『え？ほんとだ』





言われるまで気づかなかった確かに私の後ろに狐の大きい版みたいなのがいた





これは私が生まれた時から見えていたもので、村にいた時もたびたび遊びに来てくれていた







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