振り付け師は黙ってれば美人 (ページ28)

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もうひとつの理由ページ28

JM

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部屋は決まったもののAは俺の部屋で寝ることもよくある

JM「その傷ってさ痛くないの？」

それは前にテヒョンが見つけたもので首の下、ほとんど肩といってもいいくらいの位置にスったような痕があるのだ

聞かれたときは猫に引っ掻かれたと言っていたが深そうであまり信憑性がなかった

『冬はつっぱる』

JM「そう…」

『前にソンドゥクオッパから聞いたんでしょ？デビューしなかった理由』

ベッドで俺の方を見たA

『もうひとつ理由があるって言ったら知りたい？』

JM「もちろん」

デビューしてもいい人材なのにしなかったのはどうしても気になる

『19歳のときに韓国からアメリカに帰ったの。それでニューヨークで行われるダンスの大会に出た

アメリカ全部から集まる大きな大会の決勝戦の最後の番で私は踊った

私をバカにした人たちを見返すために3年間韓国で魅せ方の勉強をして挑んだ大会で事件は起きた』

JM「事件…？」

『撃たれた。ここをね』

そう言ってAは首元を見せた。猫に引っ掻かれたと嘘をついていた場所を

『幸い踊ってる最中だったから外れたけどかなり良い銃だったらしくて掠っただけなのに大量出血

ダンスの大会は速攻中止で救急搬送

それ以来大勢の場に立つのが怖くなった。韓国はアメリカより安全だし、私のことを知る人はいないに等しいのに、常に誰かに見られてるって自意識過剰になるから

男ならケンカとかの傷もやんちゃだねで済まされるけど、女ならただのキズ

どっちみち私はテレビの前で可愛い格好して踊れる人間じゃないよ』

平然を装って言ってるのかもしれないけど、その日の記憶が思い出させるのか少し震えていた

怖いに決まってる、なんの予告もなしに撃たれて気づいた時には血だらけなんて

JM「怖かったね。泣いていいよ」

俺がそう言うとAは俺の胸で静かに泣いた

日常の様子からはかけ離れたAの姿に守ってあげないとと思った

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