京本家のメイドさん (ページ1)

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「大我、お手伝いさんを雇うことにしたよ。」

仕事が終わり帰宅するなりそんな一言。正直目ん玉飛び出るかと思った。

大我「ちょ、ちょっと待って？俺なんも不便してないけど、、」

「そうだけど……なんか優秀な子がいるって言われたら引けなくて、」

そう言われても！と反論しようと口を開くも美人さんだよ、という言葉に口を閉じる。俺も結局男の子らしい。

おいで、と言われてやってきたのはふわっふわのTheメイドさんって感じの長いワンピースに真っ黒なストレートのロングヘア。

ぱっちり二重に愛らしい唇。そして今俺がハマってる漫画のピンク髪の女性キャラ張りのスタイル。

目のやり場に困るとはこのための言葉じゃないかと思ってしまうぐらい完璧な女の子だった。

どんな声してるんだろ…

ここまで完璧ならダミ声がいい、と願ってしまう自分がいる。

貴「本日よりこの御屋敷で働かせて頂くことになりました、メイド、と申します。よろしくお願い致します。」

鈴がしゃんしゃん鳴ってるような声。決して小さくない。でも慎太郎みたいにでかくは無い。あとダミ声ではなかった。

ってそこじゃなくて、！

大我「メイド……がお名前？」

「我が社の規則上、名前は明かせないことになっています。ですのでメイド、とお呼び下さいませ。」

それだと味気がない。ずるい。俺はメイドじゃない呼び方で呼びたいの！

だから……

大我「勝手にニックネーム付けるのはあり？」

そしたらびっくりした顔したけどすぐに笑って「嬉しいです、」って言ってくれた。

俺の部屋の掃除とか俺の心のケアとか……まぁ色々してくれるらしい。不便はしてないよ。でもここに居たいって言うから……

大我「よ…よろしく、、」

絶対俺の顔赤かった。そんなことを思いながら手を出せば

貴「よろしくお願い致します、」

と華奢な手で俺の手を握り返してくれた。

そんな彼女がここで働き始めた、最初の話。