19.犯人様、いらっしゃいませ。 ページ22
カンカンと耳障りな音がして探偵社員が一斉に降りてくる
焦った顔をしたマスターが店内を覗きこんだ
力が入らないのか、座り込んでしまったマスターの顔は絶望で塗りたくられていた
与謝野がもう息絶えた遺体へ駆け寄る
心音を聞き、血の気が引いた青白い顔を仲間に向けた
「まさか…」
敦がその美しい瞳を壊れるほどに見開いて呟く
「あア、こいつは死ンでる…」
「雨芽さんは!?」
与謝野が静かに告げたあと、辺りを見渡した敦が叫んだ
国木田はと言うものの、死体の様に青くなりガタガタと震えたまま何かを呟いていた
「…俺達のやってることは…、悪?罪?正義…?俺の理想は、…無意味?」
「国木田君、君は正しい。だがそれを君が信じてやらなくてどうするんだい?」
絶望する国木田の横に立ったのは、意外にも太宰であった
国木田はゆっくりと顔を上げると
「店員は復讐のため…、店から出ていった。
あの店員は人を殺そうとしている」
「…そうかい、ごめんよ風花…」
ぼそりと太宰が呟いた
敦が泣いたような苦しそうな顔をして店を飛び出す
「…ッッ!」
「敦ッ/敦君!?/」
国木田、太宰が叫ぶ。
が、走り出した敦には届かない
敦は暗闇に吸い込まれるように走っていってしまった
_
雨芽は走っていた。
いや、屋根を跳んでいた
常人には到底及ばない様な早さ、正確さで屋根の上をすいすいと進む
空には雲隠れしてしまった為か月、星がない
完全な闇だった
雨芽の眼中には犯人である男の乗ったバイクが走っている
雨芽はそれと同じスピードで走っているのだ
が、雨芽も人間だ。
それも16歳の少女…。
体力に限界はあった
雨芽の走りが突如、止まる
どころか、雨芽は座り込み立ち上がろうとしない
『お姉ちゃ…んっ、助け、て』
嘗てのように姉に救いを求めるが、姉は来ない。
自分に正義を教え、闇から救った姉はもう自分の前に現れてくれない
それが、何のためなのかは分からない
異国で暮らしているのか、何かの任務中なのか
若しくは死んだか。
それは雨芽には分からないことだ
雨芽の頭に一つの案が浮かび上がった
ナイフをてにもつ
肩を思いっきり後ろに引き持ち前の運動能力でバイクに向かって投げた。
男の首筋にナイフが擦れ、血が流れる
「…!?嗚呼、…追われていたか。
本当に超人的な女だ
姉妹揃って、な」
男が何かを呟くが雨芽には届かない
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ミレー - ラムさん» いえいえ大丈夫ですよ(*^□^*) 此れからも楽しみに待ってます(。-∀-) (2019年12月8日 10時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ラム(プロフ) - ミレーさん» ♯41に恐らくあります.......。更新の間が空いてしまい、読みづらくなっていてすみません、(リア友宛で頼まれた小説を書いてるもので) (2019年12月7日 8時) (レス) id: 679c2774ae (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - 中也様最後に何を言ったのでしょうか?(。-∀-) 続き楽しみですv(・∀・*) (2019年12月7日 7時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - ラムさん» ありがとうございます(≧∇≦) 楽しみですσ(*´∀`*) (2019年11月22日 17時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ラム(プロフ) - ミレーさん» まぁいとこですけどね笑笑 続きは更新しますよー (2019年11月21日 18時) (レス) id: 679c2774ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:少女F(旧ラム) x他1人 | 作成日時:2019年7月8日 0時