いつもの日常で世界征服を...。

No.7 ページ8

ーサラ目線ー


「ノアー？今日はお仕事って言ったよねぇー？
何でこんな所でお菓子を貪ってるの？……」



ふと部屋に入るとそこには、今日は任務に
行っているはずのノアがいた


「むぐっ？！」


それに気がついたノアの肩が跳ねる


いや、何でいるの？ホントに


「あー、えっとね、ちょっと忘れ物して
取りに来たら、お菓子があったからちょっと
つまんでただけだから、うん、サボったり
してないから！」


ノアの目がキョロキョロと泳いでいる


いや、絶対嘘ついてるじゃん


「はぁ、分かったから早く招集場所に行きなさい
特攻部隊のみんなが待ってるんでしょ？」


みんないっつもノアに待たされて大変そうだなぁ



「はーい……、帰っ来るまでにおやつの準備
しといてね？」


ぷっくりと頬を膨らませたノアが振り返る


「はいはい、紅茶も入れとくね」


外に出ていくノアの様子をずっと見守る


行かないで、と何度も言いかけた
でも私がそんな事言っちゃいけない、絶対に


そう分かっていても、考えずにはいられない


もう見えなくなったノアの背中に手を伸ばす


大丈夫、そう分かっていても最悪を考えてしまう


もし、もしも何かあったら……


もう二人は昔のようにはならない
ずっと頑張ってきて、昔よりずっとずっと
強くなった



でも私は？


私は何をしてきたのだろう？


ただ安全地帯で二人を待つだけ、紅茶を入れて
二人を待ち続けるだけ


ノアに、行かないとダメでしょ？と、ユズに
お願いしてもいい？と言う度に胸が痛む


私がこんなことを言ってもいいのだろうか？


何もしていない私が
命懸けで戦っている二人に


でも、それでも二人のそばに居たいから……


どうか……どうか、

「まだ二人を連れていかないで……」

No.8→←No.6

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す