東のヘタレと不器用 ページ9
谷崎side
その日は、戦闘をも視野に入れた任務だった。
ボクと、彼女と2人きり。
幻影を見せるボクと、戦闘においては男にすら引けを取らない彼女と。
だから、だろう。気付かぬうちに僕は油断していたのだ
「 Aちゃん、危ない────! 」
刹那、鋭い切っ先が彼女へ向かう。
幸いにも彼女の秀でた瞬発力により、陶器のようなその肌を断つことは無かったものの
完全に避け切る事は出来ず、行き場を失った絹糸の如く美しく、長い髪が束となり地面に落ちる。
彼女にとって大切で、特別で、自慢でもあったその髪が、この日無残に散ったのだ。
────それが今から四日前の出来事である。
勿論依頼はしっかりこなしたし、大した傷も負わずに済んだけれど
それでも
「 やっぱり、なァ .. 」
「 なンだい谷崎。情けない声だねェ.. まァだ気にしてンのかい? 」
ぐてー、と机に突っ伏しジメジメとした空気を放つボクの視界を遮ったのは束となった書類。
降ってきた声に顔を上げればそこに居たのは
「 与謝野女医 ..! だ、だって .. 女性にとって髪は命のようなものだと、ナオミも云ってて ..! 」
「 .. はァ。けど、Aも気にしていないと。そう云ってたンだろう? あの娘が無理して発言するような娘に見えるってのかい。 」
「 それは ..! 見え、ません .. ケド .. 」
普段なら、そう思えたけれど
今回ばかりは ＿＿＿
・
・
・
本当に。彼女は髪以外の事には無頓着だった
髪以外。髪 以 外 。
前を歩く彼女の顔は、表情は見えなかったけれど
それでも気にしているだろうと、そう思って謝罪をしたら、彼女は何時もの無表情で
「 気にしていない。.. 本人がそう云うのに貴方が気にしてどうするの。」
と、そう告げて再び前を向いたのだ。
( でも、ボクは逃さなかったンだ )
�� けど .. ��
そう云いかけて彼女が止めたのを。
少し寂しそうに、目を伏せたのを。
・
・
・
「 なら良いンじゃないのかい? それでも未だ気になるってンなら本人に直接、聞いてみりゃ良いじゃないか。」
「 兎も角。何時までもウジウジされてちゃ此方が困るンだよ。国木田に叱られるのも時間の問題、さっさとケリを付けてきな! 」
「 あ痛ッ!? 」
ばしん、と書類で叩かれボクは再び机に伏せる
さて、どうしたものかなぁ
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ユズリハ(プロフ) - 壽巳さん» コメントありがとうございます！いえいえ..もう自分で書いてて駄作感半端じゃないですよ..!! 重力の彼に似合った文かは分かりませんがちょっとだけ更新したので是非ご覧下さい(^^) (2016年10月25日 1時) (
レス) id: 958a8b1ea5 (このIDを非表示/違反報告)
壽巳(プロフ) - 駄作の予感がすごいとかいいながら迚面白い作品じゃないですか!!重力使い...楽しみにしてます!!!いきなりきていきなり騒いじゃってすいませんでした。更新楽しみにしてます!頑張ってください。失礼しました (2016年10月16日 13時) (レス) id: ef96c1677b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユズリハ | 作成日時：2016年10月10日 2時
