【HP夢】小さな狼の子【リーマス・ルーピン】 (ページ7)

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美味しいの！【あなた】ページ7

ダンブルドア校長先生が、職員の紹介や学校生活の話をする。
淡々と進む時間で、なんどお腹がなったことか。

「…とまぁ、こんな所じゃ。それでは宴を始めようかの。」

ダンブルドアが両手をパッと広げると、全てのテーブルに山のような料理が並んだ。

「凄いね！何でもあるよ！A、何食べる？」

リーマスも興奮ぎみだ。

「お肉！お肉食べる！ローストビーフ取る！」

私、なんせお肉が好きなの。
ローストビーフとかすてーとか、焼き加減がレアなやつ。

「僕は、サンドウィッチにしようかな。」

二人で惹かれた食べ物をどんどん盛り付け、私達の前にはちょっとしたオードブルが出来てしまっていた。

それを二人でどんどん平らげる。

「リーマス、これ美味しい！」

「へぇ！一口貰うね！」

リーマスが私の手から、サラダをパクリと食べる。
ふわっと笑う彼は、やはりアーサーに似ている。

「あなた、私を育ててくれた人に似てるの。」

「うん？あぁ、もしかして懐かしい匂いってその人の匂いかい？」

「そうよ。優しくて、なんでも知っているのよ！」

「へぇ。お父さん？お母さんかい？」

「私は、捨て子なのよ。森に捨てられてた。」

「え！ごめん…」

「いいの。だって全然不幸じゃなかったわ！むしろ幸せだったの。」

「へぇ。本当に優しい人と暮らしていたんだね。」

「ええ。彼も狼なの！」

そう言った瞬間、リーマスはフォークを落とした。

「僕の、臭い、狼みたい、かな。」

「え、えぇ。臭くはないのよ？優しい太陽と暖かい匂い。ごめんなさい、気に障ってしまった？」

どんどん青くなるリーマスに、私は混乱する。

「そっか。でも、君からしたら好きな匂いなんだよね？」

「ええ、もちろんよ！優しいアーサーの匂いだもの！」

「そっか。」

リーマスは少し悲しそうに笑った。

「…ね、このトルテ美味しいよ！一口どうぞ！」

すっかりポケッとしてしまった私にリーマスが、沢山いちごののったトルテを勧めてくる。

「美味しそう！貰うわ！」

私はリーマスのどこか引っかかる笑顔を思い出しながらも、ホグワーツ最初の宴を楽しんだ。