入学式その5【あなた】 ページ6
「あ、扉が開くぞ！」
誰かが言った。
そして、大きな扉がゆっくり開いていく。
そして、中から拍手が起こる。
「「ようこそ、ホグワーツへ！！」｣
私達は真ん中の開けた道を通る。
ホグワーツの大広間には、長テーブルが並び多くの生徒が席に座っていた。
「すごーい！」
私は、さっき外の廊下で知り合ったルーピンと並んで歩いていた。
ルーピンを挟んで反対に、シリウスと呼ばれた少年もいる。
そしていよいよ、組み分け帽子の前にきた。
「それでは、名前を呼ばれた者から前へ！」
マクゴナガル先生がどんどん名前を呼んでいく。
そして、帽子は唸ったり笑ったりしながらその生徒の組み分けをしていく。
「A・グリフィズ！」
私の番だ。
そっと大きな椅子に座り、帽子を被る。
「うぅむ……はて、どうしたものか……」
帽子は悩んでいるようだ。
「勇敢さ、素晴らしい正しい戦いの精神もある。だがしかし、勤勉でもある。それでいて、割と独創的で全てを手に入れようという野心もあるな？」
「どういう事？」
「どの寮に行っても、君は成功するだろうな。だからこそ、最も良いのはどれなのか……？」
なるほど、私はこの帽子を悩ませていたらしい。
それならば。
「私、グリフィンドールがいいわ。」
「ほう、何故だ？」
「だって、いつでも勇敢でいたいもの。仲間を、自分を守れるようにね。」
狼さんは私を守ってくれたもの。
魔法使いになったら、今度は私が森を守りたい。
私を育ててくれた、魔法の森を。
「それでは、グリフィンドール！！」
帽子にありがとう、と伝えてから椅子を降りる。
そしてグリフィンドールのテーブルにいく。
あちこちから握手を求められ、よろしくねと挨拶する。
そして、次の子が呼ばれた
「リーマス・ジョン・ルーピン！」
さっきの子だ。
ミルクティーみたいな髪の、傷のある顔をした、優しい匂いのする子。
あの子は、似ている。
私を育ててくれた、狼さんに。
アーサーの優しさと匂いを持っている。
「うむ、グリフィンドール！！」
リーマスもグリフィンドールだ！！
リーマスはパタパタ走ってこっちへやってくる。
私と同じように、歓迎されながら席につく。
「やったね。リーマスと同じ寮だ。」
「A！よかった！」
「私も、リーマスが同じ寮で安心したわ！」
二人でふふふと顔を寄せあって笑った。
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作者名：とわ | 作成日時：2021年1月31日 22時
