入学式その2 【リーマス 】 ページ3
同じコンパートメントに座った五人は、ワゴンのお婆さんから買ったお菓子を口に入れつつ談笑していた。
「もう明日からさっそく授業が受けられるのかしら。」
「多分ね。楽しみだなぁ。やっと魔法が学べるんだ。」
ジェームズはリリーの隣で楽しそうに笑っている。
「…僕も楽しみだ。」
ポソッとセブルスが囁くと、ジェームズが眉を顰める。
「へぇ。セブルス、君はそんな呪文の本を恋人のように抱きしめているからもう魔法が使えるのかと思っていたよ。」
皮肉めいた口調でセブルスに話す。
セブルスも黙ってはいない。
「そちらこそ、ポッター家とあらば幼い頃から魔法を叩き込まれるものかと思っていた。」
二人は言い合いを始めてしまった。
リリーが止めに入る。
「ちょっと、やめなさいよ二人とも。いいじゃない、これから一緒に学んで行くんだもの。」
「もちろんさリリー。しかしコイツと一緒にとはいただけないな。」
「馬鹿ね。それより私は、自分がどの寮に入るのかが気になるわ。」
リリーは僕とシリウスの方を向き、話す。
「勇者と呼ばれるグリフィンドール、勤勉なハッフルパフもいいわ。」
「知的で創造力のあるレイブンクローも、野心の認められるスリザリンもいい、と思う。」
セブルスが笑顔でリリーに話す。
「スリザリンは伝統的で、優れた魔法使いが多い。リリーも入ってみたらどう？」
「へぇ！かっこいいわね！セブルスも入学、楽しみにしてたのね。」
リリーに関心されたセブルスは頬を染めた。
それを見たジェームズは、わざと大きな声で話す。
「僕は嫌だね。純血主義の狡猾な野心家なんて。もし僕はスリザリンに入る位なら退学するよ！」
などと言い放つ。
「ちょっと、やめなよジェームズ。」
「大人げねぇぜ。まぁ俺もスリザリンだけはごめんだな。」
僕とシリウスはジェームズを窘めようとるが、セブルスは完全に怒ってしまったようだ。
「なんなんだ！さっきから！僕がリリーと話せば口を挟んできて！」
「そんな言い方される覚えはないね。僕は嫌らしい野心家からリリーを守ろうとしているだけさ。」
僕たちの発言も意味無く、二人はまた言い合いを始めてしまった。
そしてリリーが喝を飛ばした。
「本当にいい加減にしなさいよ二人とも！付き合ってられないわ！」
そう言い放ちコンパートメントを出ていってしまう。
それをセブルスは追っかけて行ってしまった。
「…ほっといてローブに着替えようぜ。」
シリウスがそう言った。
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作者名：とわ | 作成日時：2021年1月31日 22時
