牙【あなた】 ページ17
楽しいクリスマスイブはあっという間だった。
人数は少なかったが、夕食は豪華だったし。
グリフィンドールの三人でホールケーキを平らげてしまって、マクゴナガル先生が笑っていた。
「リーマス、意外と食うよな。」
「そうかな。シリウスだって変わらないじゃないか。」
「デザートは圧倒的リーマスよ！お肉はどっちもどっちだけどね。」
「お前はフルーツ食い過ぎだ。」
実はこの三人全員結構大食いである。
成長期、しょうがない。
談話室には大きなクリスマスツリーと、クリスマスモチーフの小物などが並んでいる。
中には、動くものもあって面白い。
「今日は、早く寝ようか。」
「うん！私はちょっと本でも読んでから寝ようかな。」
二人にお休みを言って階段を上がる。
アーサーがクリスマスには、プレゼントを送ると言っていた。
何が送られてくるのか、ワクワクする。
今日はリーマスが貸してくれた、マグルの小説を読んで寝よう。
………………………………………………………………………………………………
「おはよう、リーマス、シリウス！」
「おう。」
「おはよう、A！プレゼント来てるよ！」
本当だ！
ツリーの下に色とりどりのラッピングを施された箱がコロコロと置かれている。
「赤い箱がジェームズから。茶色がリリーで、緑がセブルス。あと、アーサーって書いてある箱が青いやつだったよ。」
「ありがとう！」
ジェームズからはお菓子、リリーからはハンドクリームとリップクリームが、セブルスからは魔法のストラップとハンカチが届いた。
「アーサーからは…木の実だわ！」
「木の実？森の？」
「そう。これ美味しいの！あと魔法植物の実だから色んな効果があるの。」
「へぇ。いいね。」
「何かあったら、必要な時に食べなさいだって。二人も何かあったら言ってね。本当、凄いんだから！」
「うん、ありがとう。」
「なぁ、この薄っぺらいグレーの袋なんだ？」
「え？」
シリウスの手にはグレーの、こういってはなんだが薄汚れた袋があった。
「宛先は？」
「書いてねぇからわかんねぇ。でも中身は入ってるぜ。」
「開けてみようか。」
三人で地面に座り込んで袋を開ける。
「変な、臭いする。」
開けていくうちに、臭う。
これは、血の臭い。
「うっ！！」
「何これ…」
そこには兎の死体と、人間の赤いワイシャツが入っていた。
赤い、血の色のシャツ。
兎の死体には、大きな歯型。
一体誰から？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とわ | 作成日時：2021年1月31日 22時
