【HP夢】小さな狼の子【リーマス・ルーピン】 (ページ12)

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本【あなた】ページ12

私は図書室にやってきた。
リーマスが何も言ってくれないから。
私はもうあんなにボロボロのリーマスを放ってはおけない。

でも、こんな膨大な量の本からどうやって見つければ良いのか。

まず、リーマスはなぜあんな風になってしまうのか。

もう入学して三ヶ月目だ。
一昨日またリーマスは包帯だらけとなった。
先月も一度なった。
だいたい、月に一度なのだろう。

「…さて、どうさがすか。」

………………………………………………………………………………………………

無理だ。
これは無理。

三日間探したが、本が多すぎる。
ここから見つけるのは、困難だろう。
何かヒントは無いものか。

月に一度程度で、
傷だらけになってしまい、
少しばかり怒りっぽくなる、
そして匂いが強くなる。

「…動物？」

私は記憶にある限りは、森で動物と暮らしてきた。
普通の動物も魔法動物もいた。
アーサーは言っていた。
お前のように動物に変わる方法は他にもある、と。
もしかしたら、それではないか。

しかし、それはきっと人には言えない現象なのだ。
少なくともリーマスにとっては。

隠す必要があるものなのだろう。
それを探すには…

「すみません、魔法動物について一番多く載っている本をかりたいんですけど。」

図書室の司書であるマダム・ピンスに声をかける。
彼女は気難しいが、この部屋に関して彼女の右に出るものはいないだろう。

「少しまっていなさい。」

そう言うとピンスは奥の方へ入っていき、大きな図鑑を持って戻ってきた。

「これが最も多くの生物が載っていますよ。扱いには気をつけてくださいね。」

「はい。ありがとうございます。」

借用手続きをして、本を抱えて談話室に戻る。
談話室には、一人しか他の人はいなかった。

「リーマス？」

リーマスはソファに身を委ね、寝ていた。
もう、消灯時間も近いから仕方ないだろう。
大方、いつもの三人と遊んでいて寝てしまったのだろう。

「リーマス、こんなとこで寝てたら体いたくなるよ。起きて、リーマス。」

リーマスはゆっくり瞼を開け、欠伸をしながら目を擦る。
そしてやっと私ということに気が付いたようだ。

「A！ごめん、寝ちゃってたみたいだ。」

「ううん、いいのよ。それより眠いなら早くベッドで寝た方が良いわ。」

「うんそうするよ。Aはこんな時間まで何やってたんだい？」

「図書室にいたのよ。本を探したくて。」

「へぇ。」

リーマスは私の抱えている本の題名を読んだ。