森の捨て子 ページ1
夏の終わり頃、夕暮れ。
一人の老人が森に足を踏み入れた。
その森は狼が多く、多くの人は恐れていた。
だが、彼らはただの狼では無かった。
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「…今までありがとう、アーサーよ。おかげで、元気そうに育っておるわい。」
老人はそう言った。
その周りに沢山の狼が座っている。
その中で一際大きな狼がこくんと頭を下げる。
「いや、構わないさ。あなたはこの森を守ってくださった。その子を守るくらい、お易い御用だ。」
大きな狼がそう言うと、老人は小さく頷いた。
「わしは、当然の事をしたまでじゃ。Aを育ててくれて感謝するぞ。」
「あぁ、ダンブルドア。また、会おう。」
「そうじゃの。アーサーと皆も元気でな。」
ダンブルドアと呼ばれた老人はその腕に、柔らかな布に巻いた白い狼を優しく抱き抱えながら森を出ていった。
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「この子が、狼の子じゃ。」
「…なんと、本当に真っ白なのですね。」
白い狼の子を小さなソファの上に置き、ダンブルドアはそう言った。
周りには、ローブを来た大人がそのソファを覗き込むようにして立っている。
「この子も、魔法使いとして生まれたのじゃ。生い立ちはどうであろう、学ぶ機会は与えてやるべきじゃ。」
ダンブルドアに対して帽子をかぶった女性が反論する。
「しかしこの子は、Aはかの残虐な男から生まれた子なのです。この子に遺伝していたら…！」
「ミネルバ。わしはこの子を10年間あの森の狼アーサーに預けておった。その10年で彼女は一度も暴れた事などないそうじゃ。満月だろうとな。」
ダンブルドアが優しく狼の背中を撫でる。
「彼女は狼という特性を、アニメーガスという形で授かっておる。見ての通り、白い狼のな。」
「…わかりました。向こう一年、私が教育を彼女に施します。そして彼女の入学の時、新たな魔法使いとなれるように。」
「頼んだぞ、ミネルバ。」
ダンブルドアは狼を抱き上げ、ミネルバに渡す。
「そうじゃ、Aは言葉は話せる。読み書きから教えてやっておくれ。」
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作者名：とわ | 作成日時：2021年1月31日 22時
