いつかのあの日 3 ページ34
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A「……閑也、帰っていいよ」
吉澤「ん〜？……あ、これ星型じゃね！？」
A「……ごめんね、今日」
吉澤「………」
A「シンメの振りのとこだったから閑也にも迷惑かけた。ほんとにごめ…」
吉澤「Aはなんでそんなに頑張れるの？」
初めて会った日みたいに、閑也は食い気味でそう言った。
優しい声だった。
……本当の事を言ったらどう思うだろうか。
私は閑也やみんなとは少し経歴が違う。
何より私は、女だ。
A「……カンパニーのみんなに、迷惑かけないように」
吉澤「Aらしいね。あとは？」
そんな私の必死の誤魔化しを、閑也はすぐに見抜いた。
A「………」
吉澤「俺が頑張る理由は、この舞台にAがいるからかな」
A「え？」
吉澤「俺、実はスクール革命のオーディションにいたんだよね。すぐ落ちたけど。笑 あのオーディションに受かってアイドルになったAは、俺の目標だったの」
A「…そうなんだ」
吉澤「だから正直この舞台にAが参加するってあの日に知って、『よっしゃ！』って思った。やっと競えるじゃんって」
声を掛けてくれたあの日の閑也を思い出す。
優しくて、今思い出しても安心する「大丈夫なの？」という言葉も。
吉澤「でもA、思ったより普通の子だった」
A「……え、なんか、ごめん」
吉澤「ううん。笑 よかった〜って思ったよ」
A「え？」
吉澤「すごいステージいっぱい立ってきて、すごい景色もいっぱい見てきたはずなのに、いい意味で普通の子だった。もっとなんか、アイドルとして超越してると思ってたけど。笑」
A「………」
吉澤「『大丈夫です』って言いながら全然大丈夫じゃなさそうなのも、今思えばAらしいなって思うよ」
……ああ、閑也は、
A「……閑也、私」
吉澤「うん」
A「『女だから』って思われたくなくて、」
吉澤「うん」
A「『ジャニーズなのに女が』って思われるのがずっと、悔しくて」
吉澤「…うん」
A「前のメンバーに約束したから。二人のぶんまで、絶対、舐められたりしないからって」
吉澤「だからAは頑張ってるんだ」
A「うん」
吉澤「すごいじゃん、やっぱすごいよお前は」
閑也はやっぱり気づいてたんだ。
私の不安も葛藤も孤独も、何もかも全部。
吉澤「おい〜泣くなよ〜。笑」
閑也の手は、やっぱりあったかかった。
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美紀(プロフ) - Travisjapan大好きですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年11月23日 23時) (
レス) id: 3abf21e40c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おの | 作成日時：2021年11月23日 16時
