いつかのあの日 ページ32
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A「よろしくお願いします……」
私が彼ら、そしてこれから先ずっと支えてくれることになる大切な「シンメ」の彼に初めて出会ったのは、その日だった。
中村「お願いします…」
宮近「…よろしくです」
歓迎されてないな。すぐに分かった。
明らかに「なんでこいつが？」と言いたげな表情と冷たい声に、覚悟はしていたけどやはり身体がこわばる。
そんな時だ。
彼に話し掛けられたのは。
吉澤「……こないだのリハいましたっけ？」
A「…え、あ、いないです。今日からです」
吉澤「え？今日から？」
A「はい」
吉澤「大丈夫なの…？」
彼はたしか……吉澤さんだ。
他のみんなとは違う。
「今日から参加とか、ナメてんの？」という表情ではない。
確かに私を心配してくれている目が、そこにはあった。
A「…あ、多分、大丈夫です」
吉澤「……そ？」
「今日も頭から通しやるからね〜」
微妙な空気が流れていた中、演出の方が出演者のみんなにそう声を掛け、吉澤さんが離れて行った。
大丈夫なんて、そんなわけないけど。
通し稽古中、3日間でなんとか叩き込んだ全てをぶつけていく。
当然初めて会った5人とはダンスの息は合わなかったけど、なんとか舞台を形にすることはできた。
ほっとしながら帰りの準備をしている最中、さっきの吉澤さんがまた話し掛けてくれた。
吉澤「水野さん、めっちゃすごいじゃん」
A「あ、ありがとうございます…」
吉澤「いつからレッスンしてたの？俺水野さんが参加するの今日まで知らなくて」
A「3日前です」
吉澤「……は？3日？3日で覚えたの？」
A「はい。なんとか。まだまだだったけ…」
吉澤「すげえじゃん！」
吉澤さんは、食い気味でそう言ってくれた。
花が咲いたみたいな笑顔だったのをよく覚えている。
吉澤「流れも振りも位置も全部3日で？」
A「はい」
吉澤「なんで？」
A「え、なんで？……ジャニーさんに出てみる？って」
吉澤「それで間に合わせたの？」
A「はい。なんとか。笑」
吉澤「すげえ……」
A「いや、私全然みなさんのダンスに合わせられなくて…ごめんなさい」
吉澤「初めてだから当たり前じゃん。今から6人で練習する？」
A「え…」
吉澤「大丈夫。みんないいヤツだよ」
吉澤さんの声は優しくて、掴んでくれた手はあったかくて。
彼はきっとそういう人なんだと直感で思った。
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美紀(プロフ) - Travisjapan大好きですコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年11月23日 23時) (
レス) id: 3abf21e40c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おの | 作成日時：2021年11月23日 16時
