はやく俺に堕ちてこい【桃】

Episode27 ページ29

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絶望を抱え、ひたすらに泣きながら走り続ける。行く宛もないのに誰もいないところを求めて。




「水原...？」



名前を呼ばれ振り返る。ねえ、なんでいるの？ねえ、、


「大丈夫？」




桃山くん。

一度止まってしまったものの逃げようとは思ったけれど体が動かなかった。

絶望でもう動く力もなかったのだろうか。そして体力的にもきつかった。

心配かけたくない。だから大丈夫って言おうと思ったけど今言っても声が震えるだけ。どうすることもできなくて自分が情けなくなる。止まらない涙。


桃山くんには多分見られた。



「大丈夫？」



優しくしないでほしい。もっと泣いちゃうから


『大丈夫だよ。 ほんとに』



「だって、泣いてんじゃん」





見られちゃったか。まあこれだけ泣いてればバレるよね。声も震えちゃったし。泣いちゃだめって思 えば思うほど私の涙は止まってはくれない。 菜乃花ちゃん可愛いもんな。 誰だって好きになるよ。私なんか駄目なんだ。私なんか好きになってもらえるはずがなかった。




「水原 こっち行こ」




絶望している私に桃山くんは手を差し出す。だけどどうすることもできない。そんな私の腕を桃山くんは掴む。腕を掴まれて歩き出す。掴まれるっていってもすっごい優しく。大切なものを扱うよう に。私も思うままについていく。迷惑かけてる。痛いほどわかっていた。でも私にはどうしようもできない。罪悪感だけが溜まっていく。







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続きが気になる…((

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