熱くなる頬 ページ10
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「あそこだ」
『よかった…タクシーある…！』
公園から5分くらい走ったところで駅が見えた。
タクシー乗り場があって数台止まっている。
『乗れそうだね』
「あっ ちょっと待ってて」
『うん、』
祐希はそう言って近くのコンビニの中に入って行った。
ふぅ… さすが六本木…
近くに駅があって助かった、
これが地元だったら完全に終わってたかも…
そういえば祐希ってどの辺に住んでるんだろ？
「ごめん待たせた！はいっ、これ」
ぼーっと考えながらタクシーのそばで待っていると傘を手にした祐希が出てきた。
『わ…ありがとう…！』
「乗ろっか」
タクシーの扉が開き、私たちは乗り込んだ。
「どちらまで？」
『えーっと…！』
貰った傘を両手でギュッと握って祐希の方を見た。
「Aの家から回って？俺遠回りになっても全然大丈夫だから」
『じゃ、じゃあ中野駅付近までお願いします』
「わかりました」
行き先を伝えたと同時に動き出したタクシー。
「中野に住んでるんだ」
『大学病院に近いんだよね』
「まぁそもそもAと一緒に東京にいるのも不思議だけど…笑」
『ほんとほんと。何か不思議なかんじ、笑』
お互い少し笑い合うとしーんと静まりかえる車内。
「あっ…これ、あげる」
祐希は何やらポケットから取り出して私の目前に差し出した。
『！？』
コロンとした四角いもの…
これは…！！
「寒いからホットミルクティーにしようと思ったけど、それ見ていつも飲んでたなって思い出して、」
『いちごミルク好きだったこと覚えててくれてたんだ…！』
「コンビニの横の自販機にあったんだ」とはにかむ祐希。
嬉しい気持ちと同時に頬が熱くなってる…気がした。
祐希の余裕のある言動に心がふわふわする。
(私のが年上なのに余裕なさすぎ…)
「あのーもうすぐなんですけどどの辺に停まります？」
『えっとこの次の交差点を右に曲がったところで…お願いします』
……もうお別れ、か。
『お金、ここに置いておくね』
「えっ1万円！？」
『いいよこれくらい！笑』
タクシーは交差点を曲がり停車して扉が開く。
『祐希、何から何までありがとう』
「…こちらこそだよ」
『またどこかで会えるかなぁ？笑』
なーんて…
「………………」
『祐希？』
振り返ると同時に扉の閉まる音。
「A、」
『え…』
目の前にはタクシーから降りた祐希がいた。
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nina(プロフ) - RIOさん» RIO様 ありがとうございます！がんばります(^^)！ (2022年1月30日 22時) (
レス) id: 1ff1a23912 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 小説読ませてもらっています！ほんっまに石川くんカッコいい……この作品めっちゃ好きです！笑 更新頑張ってください！ (2021年11月7日 1時) (レス) @page4 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nina | 作成日時：2021年8月10日 6時
