涙で滲む色 ページ16
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『お待たせっ、！』
「わっ」
色々準備して戻ると祐希が飛び跳ねるようにびっくりしてこっちを振り返った。
『ごめん驚かせちゃった？』
「いや、…大丈夫！(笑) それより…」
部屋着姿になった私を指差す祐希。
『先に着替えちゃった(笑) 祐希は濡れてるし先にシャワー浴びてきて？そのままだと風邪ひいちゃう』
「え、いいよシャワーは！申し訳ない」
『だめだめ、ほらっ。もうタオル準備してきたから！』
誘導するように祐希の後ろに回り鞄を渡してそのまま脱衣所へ。
「ちょっとAっ」
『じゃあゆっくり入ってきて〜』
祐希の言葉を遮るように引き戸を閉めてリビングに戻った。
『ふぅぅぅ………』
ソファに飛び込んでクッションを抱きしめて横になる。
……視界の端に映ったのは積み上げられた参考書。
参考書を見るたびに最後に祐希に会った日のことを思い出す。
祐希は私が卒業すること、東京に行くことを寂しがっていたな。
"インターハイを見に行く"と嘘をついたことも、祐希と別れたあと部屋にこもって一晩中泣いたことも、全部覚えてる。
あの日を最後に私は祐希との連絡を絶った。
……自分の夢も、祐希の夢も、叶えるために。
そしていつかお互いが夢を叶えた時、胸を張ってその場所で会えたら…
そう思いながら日々勉強して過ごしていた。
『やばい、情緒不安定だ…笑』
あぁ、お酒のせいかな？…
祐希は私と再会したことをどう思っているんだろう。
インターハイに行けなかったこと、謝りたいな。
クッションがじわり、と涙で滲んでいくのが見えた。
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nina(プロフ) - RIOさん» RIO様 ありがとうございます！がんばります(^^)！ (2022年1月30日 22時) (
レス) id: 1ff1a23912 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 小説読ませてもらっています！ほんっまに石川くんカッコいい……この作品めっちゃ好きです！笑 更新頑張ってください！ (2021年11月7日 1時) (レス) @page4 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nina | 作成日時：2021年8月10日 6時
