傘の中に隠した気持ち(ｙ) ページ13
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「俺も、ここが最寄り、」
咄嗟に出た苦しいウソ。
どう考えてもおかしい話だ。
考えるよりも先に体が動いた、とはこういうことか。
「お兄さーん、おつり忘れてるよー」
「あっすみません」
「ありがとうございましたー」
扉が閉まってタクシーが表通りに出たのを見て俺は完全に気が抜けてしまったようにその場にしゃがみ込んでしまった。
『……えっーと？？祐希？？』
明らかに困惑してるA。
もうこれ以上、格好つけられない。(嘘はつけない)
「ごめん、実はさ…」
後輩の家に泊まる予定だったこと、連絡がつかないこと、寮のこと、全て話した。
『ってことは…帰れない！？』
「ごめん…」
普通に引くよな。情けなさすぎる。
『じゃあ……うち、来る？』
……ん？？
今なんて、
『だって、肩びっしょり濡れてるし…』
いやいやこんなの大したことない。
「……ほんとにいいの？」
『祐希だったら、いいよ』
俺だったら、ってどういうこと？…
や、そんなことよりさすがに一人暮らしの女性の家に軽々とあがるのは男として良くない。(軽い男と思われるかも)
…それに彼氏が、いるかもしれないし……。
「いや、やっぱ悪いから駅前のカラオケで始発まで過ごすわ！笑」
明日もオフだから気にしないでと笑って背を向けた、ら
『祐希っ、』
名前を呼ばれたのとほぼ同時にコートの袖を掴まれていた。
「え…、A？」
『カラオケは…その…危ないし、ってかそもそも祐希は代表選手だし…もし何かあったら私が祐希のお母さんに怒られちゃうよ、笑』
ね？と上目遣いでそう言ってくるA。
そんな可愛く言われたら断れないじゃん…
「うーん…でもさ、そのー………」
『？？』
「………彼氏とか、いないの？…」
『、いないよ？』
Aは一瞬驚いた顔をしていたけどすぐ真剣な表情に戻って答えてくれた。
…彼氏いないんだ。
少しだけ、ホッとした。
「そ、そっか…じゃあ…Aが大丈夫って言うなら…今日だけ…。迷惑だけはかけないようにする、から、」
大丈夫だよ？と少し笑って歩き始めたAの後ろをついていく。
『ここの角を曲がって少し歩いたところなんだ』
「…うん、」
傘のおかげで今表情が見えなくてほんとに良かった。
緊張とドキドキでどうにかなりそうな気持ちを抑えるのに必死だった。
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nina(プロフ) - RIOさん» RIO様 ありがとうございます！がんばります(^^)！ (2022年1月30日 22時) (
レス) id: 1ff1a23912 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 小説読ませてもらっています！ほんっまに石川くんカッコいい……この作品めっちゃ好きです！笑 更新頑張ってください！ (2021年11月7日 1時) (レス) @page4 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nina | 作成日時：2021年8月10日 6時
