気づかれないように(ｙ) ページ12
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『あーっ！終電！！』
やらかした…
Aもそう思ったのだろう、振り返った彼女の表情がそう物語っていた。
「ごめん、俺もすっかり…」
真っ当な男だったら好きな人を終電でちゃんと帰すよな。
何してんだ、俺…
そのあと突然雨が降ってきてAを連れて足早に駅まで向かった。
「ほら早く！」
『わぁぁ早いよっ』
「駅までどっちが早く着くか勝負する？笑」
『やだよ絶対負けるから！！笑』
聞きたいことはたくさんあった。
…でも、今じゃない。
「あっ、ちょっと待ってて！」
駅にたどり着いたとき俺は傘を買いにコンビニに向かった。
するとコンビニの横に見覚えのある紙パックの自販機が。
「これ、Aが好きだったやつ…」
迷わず購入して足取り軽くコンビニに入り、そのタイミングでスマホを開くと後輩の健斗からメッセージが入っていた。
"俺のことはお気になさらず！！久しぶりの再会、楽しんできてください！！"
…………え！？
焦ってトーク画面からそのまま通話ボタンを押す。
"応答なし"
おい、嘘だろ…アイツ…！！！！！
とりあえず急いで傘を買ってコンビニを出てAの元へ。
「どちらまで？」
『えーっと…！』
「Aの家から回って？俺遠回りになっても全然大丈夫だから」
『じゃ、じゃあ中野駅付近までお願いします』
遠回りも何もないけど…
タクシーの中はずっと気が気じゃなかった。
(気づかれないようにひたすらかっこつけてた)
「あのーもうすぐなんですけどどの辺に停まります？」
『えっとこの次の交差点を右に曲がったところで…お願いします』
やばい、もうAが降りてしまう。
『祐希、何から何までありがとう』
「…こちらこそだよ」
『またどこかで会えるかなぁ？笑』
話してる時の横顔も、いちごミルクを渡したときも、俺を見つめる瞳も。
どの表情も心臓がズキズキするくらい可愛くて。
「………………」
『祐希？』
Aを忘れられなかった。でもやっと会えた。
また会えなくなるなんて、イヤだ。
『えっ祐希どうして…』
気がつくと俺はAを追うようにタクシーから降りていた。
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nina(プロフ) - RIOさん» RIO様 ありがとうございます！がんばります(^^)！ (2022年1月30日 22時) (
レス) id: 1ff1a23912 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 小説読ませてもらっています！ほんっまに石川くんカッコいい……この作品めっちゃ好きです！笑 更新頑張ってください！ (2021年11月7日 1時) (レス) @page4 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nina | 作成日時：2021年8月10日 6時
