小説家 (ページ9)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:1,624 hit

9 ページ9

side那須

もしかしたらここで会うことは無いかもしれない

そう思っ途端

普段の自分ならこんなこと絶対にしないだろう

那須｢あの｣

真剣にノートパソコンに向ける

彼女の目がこちらをむく

別に話す内容がある訳じゃない

特別な要件がある訳でもない

ただ､今声をかけなければいけない気がした

A｢…はい｣

那須｢えっと…あの､以前あそこのお店にいましたよね｣

そんなこと言っても伝わらないでしょ

A｢あ〜‼️同じ本持っていらっしゃいましたよね？｣

俺にとってはあまりにも意外な返事で

少し戸惑う。

A｢えっとどうかなさいましたか？｣

那須｢あ〜ちょっと驚いただけです｣

A｢私あの時びっくりしました｣

A｢あの本読んでる方なんて珍しいなって｣

那須｢分かりますマイナーな作家さんですもんね｣

A｢あのー、お名前伺ってもいいですか？｣

那須｢あーすみません那須雄登って言います｣

那須｢僕も聞いていいですか？｣

A｢川上Aって言います｣

あれ…この名前どこかで聞いたことあるかも。

どう返事をしたらいいか分からなくなって

上手く会話を続けられない。

もう時間も時間で

結局彼女の方からそろそろ時間ですね

って言われまた会いましょうの一言で別れた