氷上で煌めく太陽８ (ページ39)

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３８２話【結弦side】ページ39

結弦｢お疲れ様でした〜｣

名古屋のアイスショーが無事に終わって、出演者とスタッフで打ち上げという名の飲み会。

俺とカナは未成年だから、ジュースで参加。

最初こそみんなで今日の反省とか思い出とか楽しく話してたけど、だんだんいくつかのグループに分かれて話す感じになってきた。

俺は、真央ちゃん、カナ、樹くん、ノブくんと一緒。

無良くん、こづくん、明子さん、美姫さんのわりと年長組がひとつのグループになってる。

結弦｢あのさ、｣

ノブ｢ん？ゆづどうした〜？｣

結弦｢なんでノブくんがこっちにいんの？年齢的に向こうじゃない？｣

ノブ｢ええやん。俺は、ゆづと一緒に飲みたいの｣

樹｢ノブくんはゆづの事が大好きだもんね｣

ノブ｢そうなの！僕の片想いやけどね〜｣

結弦｢やめてよ、くっつかないで｣

もう既に酔ってるのか、ノブくんが俺の腕に絡みついてくるからちょっと気持ち悪い(笑)

カナ｢てかさ、このメンツだから話すけど、ゆづ、まじでAちゃんとこのままスケート仲間のまんまでいるの？｣

カナが一応周りに気を遣いながら、ヒソヒソと小声で話を振ってくる。

ノブ｢そうやん！Aちゃん今騒がれとるし、結構外野から好き勝手言われてるみたいよ？｣

結弦｢どういうこと？｣

ノブ｢SNSとか、ネット上の掲示板みたいなやつ？Aちゃんの交際ネタで結構荒れとるよ｣

カナ｢カナも見たー。AちゃんSNSやってないしネットに疎いから今は気づいてないけど、Aちゃん本人の耳に入るのも時間の問題だよね｣

ノブくんとカナの話だと、あまりいい内容では無さそう。
一体、Aちゃんは世間にどう見られてるんだろう？

真央｢気になるんなら検索してみたら？｣

結弦｢見てどうすんの｣

真央｢だって、ゆづとのことも結構書かれてるよ｣

カナ｢2人、いつも一緒にいるからね〜。今まで黙ってたファンが、今回の件でちょっとザワついちゃった感じ？｣

ノブ｢ゆづ、ファン多いからな〜。熱狂的なファンが、とんでもないことやらかすかも分からんよ？｣

結弦｢とんでもないことって？｣

ノブ｢一方的にAちゃんを恨んで、意地悪するとか｣

ヘタしたら意地悪なんてカワイイもんやないかもな、なんて言うノブくんの言葉に、だんだん不安が押し寄せる。

結弦｢まさか、そんなこと｣

『女心と、ファン心理っていうのは複雑だからね』

少し前に聞いた真央ちゃんの言葉を思い出す。