１０５３話 ページ26
ゆづくんに言われて、私も言わなきゃいけないことがあるって思い出した。
そもそも、私明日になったら日本に帰るんじゃん。
その話をするためにここに来たのに、ゆづくんのオリンピック内定ですっかり忘れてた。
結弦｢クリケット、やめるの？｣
｢……うん。復帰後は、地元を拠点にするつもり｣
結弦｢なんで？こんなこと言ったら失礼かもしれないけど、Aはもっといい環境でスケートをするべきだと思うけど｣
｢そりゃあ、ここでスケートができたら最高だよ。だけどそれじゃダメなの。私にも、ゆづくんにとっても｣
結弦｢なにそれ｣
｢もともと私達が別れたのはスケートに集中するためでしょ？余計な雑念に惑わされないで、自分の目指すスケートができるように｣
結弦｢ちょっと待って。Aは、俺たちが付き合ってたことを余計な雑念だって思ってるの？｣
｢思ってないよ。思ってないけど……週刊誌に嘘の記事書かれて、それで世間に好き勝手言われて攻撃的な目を向けられてさ、ゆづくんは平気でいられる？｣
結弦｢……｣
｢私もはじめのうちは気にしないようにしてたよ。でもそれがずっと続いたらさ、いい加減にしてよ！って思うじゃん。一旦そう思いだすと些細なことにも神経質になっちゃうんだよ。……言い方はちょっと悪かったかもしれないけど、いま私たちがやることは恋愛よりもスケートでしょ？だったらスケートの邪魔をするものは、できる限り無くさないと｣
別れたばかりの頃は、スケート仲間としてやっていけるって思ってた。
付き合う前のように、励ましあいながらやっていけるって。
｢ゆづくん｣｢Aちゃん｣って呼び合ってた頃みたいに。
でも一度その関係を超えてしまったら。
｢ごめんね。私は器用じゃないから、こういうやり方しかできない。こうでもしないと、どうしても付き合ってた頃の思い出とか気持ちが邪魔しちゃうの｣
思っていた事をすべて伝えると、ゆづくんは少し悲しそうな顔をしながら数回小さく頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 235人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優里奈(プロフ) - エミルさん» エミルさん、ありがとうございます(*^^*)さっぱりしすぎたかなーと思ったんですが、あんまり深堀りしていくとお話の流れがめちゃくちゃになっちゃいそうな気がしたのでスパッと完結させました(^^)続編の期待、嬉しいです♪近いうちに、書き始めようかと思ってます(^q^) (10月2日 22時) (
レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 優里奈さん、完結おめでとうございます！え、ここで！？と思った一人です(笑)最後はちょっと切ないですね。でも、続編あるかも……ということで期待しています！ 優里奈さんの描く羽生さんとヒロインちゃんは可愛かったので、また会えると嬉しいな。 (10月2日 21時) (レス) @page28 id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - りいなさん、コメントありがとうございます！驚きましたよね〜( °_° )でも羽生くんの人生が幸せで溢れてくれるならそれでいいです(*^^*)お話は亀更新だけど書きたいことはずっと前から決まってるので、それを書くまでは続けます♪楽しみにしてくれて嬉しいです(*´`) (8月5日 23時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
りいな - いつも楽しく読ませて頂いています！羽生くんの結婚を聞いて私も作者さんみたいに驚いてしまいましたけど、やっぱり本人の幸せが1番ですよね。これからの活躍にも期待大です。この作品も継続されるという事で嬉しい限りです！これからも更新楽しみに待っています！ (8月5日 22時) (レス) @page18 id: 91595a05fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：優里奈 | 作成日時：2023年6月12日 12時
