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871話 ページ39

お正月が明けてすぐ、長々とお世話になった仙台を離れてトロントに戻ってきた。

結弦からは「俺と一緒のフライトにすればよかったのに」って言われたけど、もともと別々にトロントに向かう予定だったから仕方ない。

私のほうが一足早く戻ってきて結弦を迎える形だ。


クリケットももう始動していて、仲間も何人か戻ってきている。

私もクラブのスタッフに新年の挨拶をして、いつもどおりのルーティンでリンクに入る。

あー、やっぱここの氷は滑りやすいな。
こんないい環境で練習が出来ることに、改めて感謝しなくちゃ。




数日後、結弦もトロントに戻ってきた。
だけどドクターに喉の調子や体調を診てもらわなきゃいけないから、すぐには練習できないって残念がってた。


それから1週間が経って。


結弦「A〜!」


キラッキラの笑顔で両手を広げて走ってくる結弦。
なんでそんなにテンション高いんだろ?と不思議がる私をよそに、結弦がギュウッときつく抱きしめてくるものだから苦しくてうめき声が出る。


「うっ……くるし……」

結弦「あ、ごめん。久しぶりに会えたから嬉しくて」


ごめんねー?と両手を顔の前で合わせて謝る姿は、あざとい女子か!ってくらい可愛い。


「ドクターのゴーサイン出たんだね」

結弦「うん。これからやっと本気だして滑れる」


ウズウズしてたんだよね〜といつもより大げさにストレッチをする結弦。
それだけでもう、待ってました!っていうのが伝わってくるよ(笑)


「よっし!それじゃあ四大陸と世界選手権にむけて頑張りますか!」

結弦「よーっし。やっちゃいますか!」


二人揃ってリンクにお辞儀をして、「お願いします!」と元気よく飛び出す。

まだウォーミングアップしてるだけなのに、結弦がとても楽しそうで微笑ましくなってくる。


だけどプログラム練習が始まると、般若というか、鬼の形相で自分の世界に入っていて近寄れない雰囲気。
これも気合の現れだって分かったのは、付き合い始めて間もない頃だったな。


なんて考えてたら。

4Tを跳んだ結弦が派手にコケて、私の目の前に体ごと滑ってきた。


「飛ばし過ぎじゃないですか、お兄さん?」

結弦「えっへへ……」


般若が一転、乙女みたいな可愛い顔になった(笑)

さらに起こして?なんて甘えて腕を差し出してくるから、手を取るフリをして思いっきり脇をくすぐってやった。

やめてー!なんて悶える結弦。
とても成人男子には見えない(笑)

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設定タグ:羽生結弦 , フィギュアスケート   
作品ジャンル:恋愛
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優里奈(プロフ) - アベルさん» 今後のことは色々考えているみたいですね(^^)どんなことをやってくれるのか楽しみです!まだ少し気持ちの整理がつかないけど、ここの更新も、相変わらずゆっくりだと思いますが少しづつ続けていきますね(^_^) (2022年7月20日 6時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
アベル(プロフ) - ゆづくんらしい会見でしたね。もう競技をしてる姿が見れないってなると寂しさが込み上げてきますが今後の活動をうっすら聞いて今は期待と楽しみに満ちています。どうか連載続けてください。私は待ってます (2022年7月19日 22時) (レス) @page17 id: e570546693 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:優里奈 | 作成日時:2022年7月6日 21時

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