８６２話 ページ30
やばい。緊張する。
トロントの羽生家は何度か行ったことあるけど、そことはわけが違う。
去年、結弦がウチに来た時もこんな気持ちだったのかな。
結弦｢A、荷物貸して。俺の部屋持ってこ｣
｢え、結弦の部屋？｣
結弦｢そうだけど。え、ダメ？｣
｢ダメっていうか……私、結弦の部屋に泊まるの？｣
結弦｢そうだよ。じゃなきゃAどこに寝るつもりだったの｣
｢えっと……｣
勝手に客間みたいなお部屋があるんだと思ってた。
結弦と一緒の部屋だとは思ってなかったから、余計に緊張してきたぞ。
結弦｢あ、もしかして緊張してんの？｣
｢しないほうがおかしいと思うけど｣
結弦｢いまさら何言ってんの(笑)俺ら何回も一緒に寝たことあるじゃん｣
｢ちょっ！その言い方！お母さんいるのに……！｣
一緒に寝るとか、捉え方によってはとんでもないことになるじゃん！
焦る私とは反対に、結弦はヘラリと笑ってる。
結弦｢えー？A、なに想像してんの？｣
｢……っ！｣
結弦｢……やらしー想像したでしょ？｣
耳元でこそっと囁かれて、恥ずかしさで一気に顔が熱くなる。
絶対からかって遊んでる……！
｢してないし！ほら、荷物運ぶんでしょ！｣
結弦｢はいはい(笑)来て。俺の部屋こっち｣
ケラケラと笑う結弦の背中を睨みながら、後に続いて部屋に入る。
そこはトロントの部屋と同じくらいさっぱりしていて、あまり物が無い。
スケート関連のものとか、結構置いてあるのかと思ったのに。
｢今まで獲ったメダルとか賞状はどうしてるの？｣
結弦｢あー、ノービスとジュニアのやつはケースに入れてクローゼットにしまってある。シニアのはこっち｣
そう言って見せてくれたのは、一枚の布が掛けられた壁。
｢わ……！｣
そこはクローゼットと同じくらいの大きさのスペースになっていて、シニアの大会で獲ったメダルやトロフィがずらりと並んでいた。
｢すごい……｣
結弦｢ここにこれから、四大陸とワールドのメダルも加わる予定｣
絶対一番いい色のメダル獲るんだ。
そう呟いた結弦の顔は、とっくに先を見据えていて戦うアスリートの顔になっていた。
｢私も！四大陸も世界選手権も金メダル獲る！色々言ってくる人たちが『参りました』って言うくらい完璧な演技をするよ｣
結弦｢さすがA。俺が好きになっただけあるわ｣
また一緒に頑張ろ。と言いながらギュッと抱きしめられた。
久しぶりの大好きな人の感覚に、胸の奥が暖かくなる。
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優里奈(プロフ) - アベルさん» 今後のことは色々考えているみたいですね(^^)どんなことをやってくれるのか楽しみです！まだ少し気持ちの整理がつかないけど、ここの更新も、相変わらずゆっくりだと思いますが少しづつ続けていきますね(^_^) (2022年7月20日 6時) (
レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
アベル(プロフ) - ゆづくんらしい会見でしたね。もう競技をしてる姿が見れないってなると寂しさが込み上げてきますが今後の活動をうっすら聞いて今は期待と楽しみに満ちています。どうか連載続けてください。私は待ってます (2022年7月19日 22時) (レス) @page17 id: e570546693 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優里奈 | 作成日時：2022年7月6日 21時
