８５７話【結弦side】 ページ25
結弦｢……｣
なんだったの、今の。
Aの部屋に誰か来たと思ったら、スカイプ切れちゃったし。
ここは、もっかい掛け直すべきか。それとも……
結弦｢ちょっと時間を置いてからにするか｣
なんかA慌ててたし、イレギュラーな出来事でも発生したのかも。
ゲームでもして時間潰すか、とゲーム機を取り出す。
ゲームをしつつも、さっきのAの話を頭の中で反芻する。
もしかして部屋に入ってきたのが、Aの言っていたキャラの強いお義姉さん？
一瞬しか見なかったけど、ノックしてなかったみたいだし……A大丈夫かな？
ぐるぐるとそんなことを考えていると、Aからスカイプがきた。
ゲーム機をベッドに放って、パソコンをスカイプ画面に切り替える。
結弦｢はーい｣
《さっきはごめん！ちょっと不測の事態が……》
結弦｢もしかして、噂のお義姉さん？｣
《そう。ノックも無しで急に入ってきてさー。なにしてるのー？羽生結弦と話してるの？私もまぜてー、だよ？腹立つー》
喋り方を真似したのか、いつものAより２トーンくらい高い声で言うものだから可笑しくて思わず笑ってしまう。
結弦｢それは強烈だわ(笑)で、大丈夫だった？｣
《我慢できなくてキレた》
結弦｢え、｣
Aはお義姉さんに散々文句を言ったあと、それでも怒りが収まらなくてお兄さんとお姉さんにも怒りをぶつけたらしい。
お義姉さんの夫であるお兄さんは、Aの怒りを理解してくれたけど結局は｢そんなにきつい言い方するなんてひどい｣とお義姉さんの肩を持ったものだから、Aはさらにお兄さんと喧嘩になったんだとか。
《もうあの人の近くにいると危険。実家なのにゆっくりできないから、トロント戻る準備して明日東京向かう》
結弦｢え、いま年末年始だよ？チケットとかホテル取れるの？それに取れたとしても割高じゃない？｣
《なんとかする。これから探す。高くてもアイツと同じ空気吸うより遥かにマシ》
Aが人のことアイツ呼ばわりするなんて、そうとう頭にきてるんだな……。
結弦｢あ、ねえA。仙台来ない？｣
《え？仙台？》
結弦｢うん。東京行きだとチケット難しいかもだけど、そっちから仙台ならもしかしたら取れるかもよ？｣
《なんで仙台？》
え、そこ聞く？笑
結弦｢年末年始、一緒に過ごそうよ｣
《……は！？》
Aの切れ長の目が、最近では見たこと無いくらいまん丸になった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 762人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優里奈(プロフ) - アベルさん» 今後のことは色々考えているみたいですね(^^)どんなことをやってくれるのか楽しみです！まだ少し気持ちの整理がつかないけど、ここの更新も、相変わらずゆっくりだと思いますが少しづつ続けていきますね(^_^) (2022年7月20日 6時) (
レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
アベル(プロフ) - ゆづくんらしい会見でしたね。もう競技をしてる姿が見れないってなると寂しさが込み上げてきますが今後の活動をうっすら聞いて今は期待と楽しみに満ちています。どうか連載続けてください。私は待ってます (2022年7月19日 22時) (レス) @page17 id: e570546693 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：優里奈 | 作成日時：2022年7月6日 21時
