淡雪１５ ページ49
桜が少し咲き始めた４月。
新学期を迎える直前に、ゆづから｢今から会える？｣とメールが来た。
特に用事も無かったし、いいよと返事をして指定された公園へ向かう。
結弦｢Aこっち｣
先に来ていたゆづが手招きする。
ポンポンとベンチを叩くゆづの隣りに座ると一気に緊張してきた。
結弦｢世界選手権、見てくれた？｣
｢うん。銅メダルおめでとう｣
結弦｢ショートはちょっと悔しさもあるけどね。表彰台は嬉しかったな｣
｢でもやっぱ、もっとうまくなりたい｣と言うゆづを見て、あぁ、ゆづの気持ちはもうカナダに向いてるんだなと少し寂しくなった。
今のゆづにはカナダ行きは必要なことなんだと頭では分かっていても、寂しい気持ちのほうが強くて今にも泣いてしまいそうだ。
でもゆづには泣いてる顔は見せたくない。
そう思ったら自然と下を向いてしまう。
結弦｢Aどした？いつもより大人しくない？｣
｢そんなことない｣
結弦｢じゃあこっち見てよ｣
｢やだ｣
結弦｢Aお願い。あと少ししかこうして会えないんだからさ｣
ゆづのその言葉に、一気に限界がきて涙が溢れ出す。
グスグスと泣くあたしの頭をそっと撫でるゆづ。
結弦｢A泣かないでよ。俺まで泣けてくる｣
｢そんなん言われたら余計むり……｣
結弦｢もー……｣
ついにはゆづまでグスッと鼻をすすりだして、二人して泣きべそ顔になる。
周りから見たらきっとおかしな光景だろうな。
結弦｢Aにさ、聞いてほしいことがあるんだ｣
目に涙を浮かべながらそう言ったゆづは、｢１回しか言わないからちゃんと聞いてね｣とあたしの手をぎゅっと握りしめた。
結弦｢Aが好き。ずっと好きだった｣
｢……えっ？｣
結弦｢恥ずかしいからもう言わないよ！｣
｢あ、うん。ちゃんと聞いてた……。ちょっと、本当かな？って思って……｣
結弦｢この流れで嘘言うと思う？！｣
｢ゆづならあり得るかなって｣
結弦｢……信じらんねぇ。そんなやつだと思われてたの俺｣
｢いや、あの。好きとか、そんな感じしなかったから｣
結弦｢バレないように隠してたもん。でもカナダ行きの話が出た頃からは無理だった。絶対言わないと後悔するって思って｣
｢だからって今言うなんてずるいよ。ゆづもうすぐカナダ行っちゃうじゃん｣
結弦｢ごめん。モヤモヤしたまま行きたくなくて。Aに振られたら、潔くカナダに行けるって思ったから｣
｢誰が振るって言った？｣
結弦｢え？｣
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優里奈(プロフ) - ♪さん» 遅くなってごめんなさいー😭彼目線も近いうちに書き進めたいと思います💪 (2022年6月25日 14時) (
レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
♪ - うわーーーー！ありがとうございます！今読みました！とてもキュンキュンしてむずがゆかったです笑 (2022年6月25日 13時) (レス) @page32 id: 88b3102197 (このIDを非表示/違反報告)
♪ - わぁ！返信ありがとうございます！そうなのですね！あまり無理をなさらずに優里奈さんのペースでゆっくり更新していただければと思います！楽しみにしております！！！！！ (2022年5月19日 8時) (レス) id: d7d3cc8865 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - ♪さん» リクエストありがとうございます(^ ^)そういえば、スケーターじゃないヒロインって書いたこと無かったです！いまリアルの方が多忙なので、少しお時間くださいね(*^^*) (2022年5月18日 20時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
♪ - 以前から何回も読ませて頂いております！リクエストなのですが、友野くんとスケートをしていない関西の女の子のお話を見てみたいです！ (2022年5月18日 8時) (レス) id: d7d3cc8865 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優里奈 | 作成日時：2022年3月10日 23時
