あまのじゃく《Yuma Kagiyama》 ページ19
｢鍵山ー！｣
優真｢え？……うわっ！｣
呼ばれて振り返った鍵山めがけて、｢ほらよっ！｣と投げたもの。
クルクルと勢いよく回りながら宙を舞ったそれを、彼は見事に両手で挟んでキャッチした。
｢すっげ。真剣白刃取り！鍵山、スケートだけじゃなくて剣術もやってんの？｣
優真｢そんなわけないじゃん。目の前に飛んできたらキャッチするだろ、普通｣
｢いーや？私だったらよけるね！｣
こうやって！と体を左右にビュン！と振ってみせると、ハイハイと言わんばかりの呆れた顔で私を笑う。
優真｢ていうか、ノートくらい普通に渡してくんない？投げたら危ないじゃん｣
｢せっかく『世界のカギヤマ』のためにノート取ってあげたのに、そんな文句言うの？あー、ショックだな〜！｣
優真｢全然ショック受けてる顔じゃないけど(笑)ていうか、『世界のカギヤマ』ってなに？｣
｢だって鍵山、国際大会バンバン出まくってんじゃん。この前はイタリアだっけ？その前はフランス？｣
優真｢違う。ポーランド｣
｢どっちもヨーロッパだから一緒じゃん。今度はどこ行くの？｣
鍵山は話を聞いてるのか聞いてないのか、私が話している間も黙々と鞄に教科書を詰め込む。
｢ねえ、聞いてる？｣
優真｢聞いてるよ。次は全日本。Aも出る全日本選手権｣
流石に今から海外行って全日本出場はありえないから、と苦笑する鍵山。
笑ったときに細くなる目がお父さんとそっくりで、親子のＤＮＡってすごいなって思う。
優真｢A、のんびりしてるけどいいの？練習行くんでしょ？｣
｢あ、そうだった。待って、鍵山。一緒に行こ！｣
何を隠そう、私も５歳からスケートをやっていて、鍵山が引っ越してきた中１からずっと一緒に練習している。
私は大して立派な成績をあげているわけでもなくて、今年の全日本もギリギリ推薦枠に滑り込んだ奇跡みたいなもの。
鍵山みたいに世界で戦える選手になりたいって思った事もあったけど、プレッシャーに弱い性格は自分でよーくわかってるから早々に諦めた。
優真｢A、まだー？置いてくよ｣
｢わー！待って、いま行く！｣
慌ててあれこれと荷物を持って教室を出ると、私の荷物の多さを見た鍵山が｢どっか引っ越すの？｣なんて茶化す。
小馬鹿にして笑ってくるのはムカつくけど、｢貸して｣とさり気なく一番重い荷物を持ってくれるあたりは、鍵山の優しさが溢れてる。
恥ずかしくて誰にも言えないけど、そんな鍵山の事が密かに好きなんだ。
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優里奈(プロフ) - ♪さん» 遅くなってごめんなさいー😭彼目線も近いうちに書き進めたいと思います💪 (2022年6月25日 14時) (
レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
♪ - うわーーーー！ありがとうございます！今読みました！とてもキュンキュンしてむずがゆかったです笑 (2022年6月25日 13時) (レス) @page32 id: 88b3102197 (このIDを非表示/違反報告)
♪ - わぁ！返信ありがとうございます！そうなのですね！あまり無理をなさらずに優里奈さんのペースでゆっくり更新していただければと思います！楽しみにしております！！！！！ (2022年5月19日 8時) (レス) id: d7d3cc8865 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - ♪さん» リクエストありがとうございます(^ ^)そういえば、スケーターじゃないヒロインって書いたこと無かったです！いまリアルの方が多忙なので、少しお時間くださいね(*^^*) (2022年5月18日 20時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
♪ - 以前から何回も読ませて頂いております！リクエストなのですが、友野くんとスケートをしていない関西の女の子のお話を見てみたいです！ (2022年5月18日 8時) (レス) id: d7d3cc8865 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優里奈 | 作成日時：2022年3月10日 23時
