９話 ページ9
結弦｢……｣
ノブ｢名刺、もらっといたらええやん｣
せっかくくれたんやし、と名刺をヒラヒラさせながらノブくんが言う。
誰も捨てるなんて言ってないし。
結弦｢東京に生活拠点ねえ……｣
まあ、悪くはないと思う。
でもすぐには決断できる話じゃないな。
やっと仙台で一人暮らしを始めたばかりで生活サイクルも整ってないのに、もう一つ部屋を持つなんて。
絶対管理が疎かになるのが目に見えてる。
とりあえず名刺を鞄にしまって、気持ちを仕事モードに切り替える。
‥
結弦｢あー、なんかたくさん喋って疲れた〜｣
ノブ｢ゆづ、めっちゃマシンガントークやったやん(笑)ライターさん、ちょっと引いてたよ？｣
結弦｢なんか、スケートの話ってなると止まんなくなるんだよね。ちょっと反省してる｣
ノブ｢まあ、そうやってちょっとずつ慣れてったらいいと思うよ？｣
ノブくんと雑談をしながら荷物を持ってタクシーに乗り込む。
今度は週末のアイスショーのために神戸へ向かうべく、東京駅へ。
新幹線に乗り込んで、イヤホンをして目を閉じる。
そうしないと、神戸までずっとノブくんが話しかけてきて疲れるからね。
あ、そういえば、
ふと思い出して、貰った名刺を鞄から取り出す。
結弦｢ココリラ・エステート……｣
聞いたことないな。
どんな会社なのか、最初にネットで検索してみる。
創業は10年前か。
業界の中では若い方なのかな。
ここ数年で業績を伸ばしてて勢いがあるみたい。
口コミも悪くない。
結弦｢個別訪問での物件探しにも対応……？｣
気になった項目を見てみると、スタッフがこちらの希望する日時に、指定した場所まで来て物件の説明をしてくれるらしい。
全体の６割くらいはこのシステムを利用してるっぽい。
試しにどんな物件があるのか見てみる。
最低限の条件を指定して、検索をかけてみた。
へぇ。
結構いろんな物件あるんだな。
古いのから新しめのまで。これから入居募集予定の新築物件まである。
でも……
結弦｢さすが東京。家賃高いな(笑)｣
仙台で借りたマンションも決して安い方ではなかったけど、同じ条件でも東京だと倍くらいは違うじゃん。
悩む。。。
結弦｢てか、まだ東京に部屋借りるって決めたわけじゃなかったわ｣
こういうの見ると、つい夢中になっちゃうんだよなー。
ま、もうちょい考えよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 244人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優里奈(プロフ) - 鹿さん» わ！鹿さん！私、鹿さんの作品読んでます！全部読んだけど、今『嘘と真実』読み返してます大好きです！『氷上〜』はどうしても過去を無視出来なくて慎重に書いてるけど、未来のお話なら自由に書けるな〜と思って始めました(^ ^)読んでくださってありがとうございます！ (2022年2月14日 20時) (
レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - はじめまして！かな？大人設定の羽生さんにわくどきしています！引退後のお話なんですね。楽しみにしています。頑張ってください＾＾ (2022年2月14日 15時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：優里奈 | 作成日時：2022年2月12日 23時
