氷上で煌めく太陽１１

５３８話 ページ47

午前の練習を終えて帰る途中、ゆづくんからLINEがきた。


結弦《練習終わった？》


ゆづくんからのメッセージはたった一言だけ。

みじかっ！

何か用事でもあるのかな？
よくわからないけど、とりあえず今帰り道だよ、と返信する。


結弦《電話したいからホテル着いたら教えて》

《りょーかい》


スタンプを送ってスマホ画面を閉じる。

電話？
ってことは、まだホテルに戻ってきてないのかな？
電話じゃないと伝えられないことでもあるのかな？


ちょっと不思議に思いつつ、まあいっか、とスマホをかばんにしまう。

そういや、ブライアンは何か聞いてるのかな？


｢ねえ、ブライアン。ゆづくんのこと、何か聞いてる？｣

ブライアン｢ああ。さっき連盟の方から詳しく聞いたよ。僕もさっきユヅルに連絡してね。Aにはユヅルが直接伝えたいっていうから、あとでユヅルに連絡してみるといいよ｣

｢そっか……分かった。ありがとう｣


ブライアンがそう言うってことは、ゆづくんの電話の内容も同じことかな？


気になる……。


なんとも無かったら、帰ってきてから話せばいいよね？
でもそうしないってことは、まだ病院にいるの？帰れないとか？

もしかして入院！？


うわー！気になる！
早くホテル着いて！

ここどこ！？なんて思いながら、GPSでホテルまでの道のりを検索する。


あと１０分もかかるの……


いつもは景色を楽しむとこだけど、今だけは瞬間移動したいくらい。




ホテルに着いて、急ぎ足で自分の部屋に戻る。

こっちから電話しようかなって思ったけど、病院にいるとしたら出にくいかな？って思って、とりあえずLINEで帰ってきたことを伝えた。


それからすぐにゆづくんから電話が掛かってきた。


｢もしもしゆづくん？まだ病院？｣

結弦《ちょっと落ち着いて(笑)息切れてんじゃん》

｢だって！どうだったのか気になって……｣

結弦《ごめんね。心配掛けて。あのさ、俺入院することになった》

｢……え！｣


まさかと思っていたのに、そのまさかの通りになるなんて。

５３９話【結弦side】→←５３７話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す