529話 ページ38
男子ショートが終わって、佳菜子ちゃんと一緒にロビーで時間つぶし。
今ごろインタビューとかしてんのかな?なんて二人してスマホをいじりながら、私はゆづくんとブライアンを、佳菜子ちゃんは昌磨くんとコーチを待っていた。
佳菜子「Aちゃんさあ……」
「え?なあに?」
佳菜子「よかったね」
「……なにが?」
いきなり話し始めたと思ったら、よく分からないことを言われて答えに困る。
すると佳菜子ちゃんがスマホから目を離して、私を見て優しく微笑んだ。
佳菜子「ゆづはスケートばっかやってきたから恋愛偏差値なんてたかが知れてるけどさ、ゆづ、ホントにAちゃんのこと大好きなんだよ。会えば必ずAちゃんの話が出てくるくらい」
「そうなんだ……そう聞くとなんか恥ずかしいな(笑)」
佳菜子「そう!聞いてるほうが恥ずかしくなるくらいなんだよ。あいつ、恋愛に関しては不器用かも知れないけどさ、不器用なりに一生懸命考えて、Aちゃんのこと大切にしようとしてるよ」
「そっか……」
佳菜子「Aちゃんも恋愛したことないって言ってたから戸惑うこともあると思うけどさ、変に気負わないで素直にぶつかっていけば、ゆづもそれに全力で応えてくれると思うよ」
「素直に……」
佳菜子「Aちゃん、すっごい大事にされてるから。たぶん付き合う前からずっと。だからAちゃんが初めてお付き合いする人が、ゆづで良かったなって。カナはそう思うよ」
カナだったらゆづが彼氏なんて絶対イヤだけどね!と肩をすくめて笑う佳菜子ちゃんに、私もつられて笑ってしまった。
佳菜子「ま、ゆづに泣かされたらカナが守ってあげるから!」
結弦「人聞きの悪いこと言うなよ」
「うわあっ!……ゆづくん!後ろから脅かさないでよ〜」
背後からいきなりゆづくんが現れて、佳菜子ちゃんと二人でベンチから飛び退いた(笑)
ゆづくん、全然気配が無くて分かんなかったよ。
佳菜子「じゃあ、絶対Aちゃん泣かさない自信でもあんの?」
結弦「それは……頑張る」
佳菜子「もし泣かせたら、内容によっちゃ一生許さないからね」
結弦「カナはAちゃんの親か(笑)」
佳菜子「せめて姉にしてよ!」
結弦「姉ならいいのかよ(笑)」
二人のやりとりに笑っているとブライアンがやってきて、佳菜子ちゃんより先にホテルに戻ることに。
明日のショート頑張ろうね、と佳菜子ちゃんと約束をして、ブライアンとゆづくんと一緒に会場を後にした。
530話【結弦side】→←528話《全日本選手権2014 男子SP》
233人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優里奈(プロフ) - エミルさん» 嬉しいお言葉……ありがとうございます(*^^*)付き合いたてってこんな感じかなあ……?なんて考えながら二人を動かしてます(*>_<*) (2021年10月3日 6時) (レス) @page21 id: bb1624f74d (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 初々しい二人の好きが溢れていて、可愛いカップルですね!こちらも幸せな気持ちになります(*´ω`*) (2021年10月2日 23時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - らっきさん» わー!ありがとうございます(≧∇≦)らっきさんの作品も楽しく読ませて頂いてますよ〜(*´ω`*)2人がくっつくまでの前置きが長すぎましたね(^ω^;) (2021年9月24日 22時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - こんばんは!いつも読んでます(*^^*)ついに、2人のお付き合いが始まりますね!更新頑張って下さい! (2021年9月24日 21時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - エミルさん» 私も書いていてドキドキしてました〜!一途なゆづくんに春よ来い!ですね( *´艸`)頑張って続き書いて行きます(p`・ω・´q) (2021年9月23日 23時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:優里奈 | 作成日時:2021年9月23日 22時