507話 ページ16
「……」
私は何を見せられているんだろうか?
メドベージェワ「ユヅル!これも美味しいわよ!はい、どうぞ!」
結弦「いや、自分で食べれるから……」
メドベージェワ「あら、照れてるの?可愛いわね!」
結弦「そうじゃなくて、」
メドベージェワ「こんなの、みんなやってるわよ。ほらユヅル、恥ずかしがらないで」
結弦「あー……」
目の前で繰り広げられているのは、ゆづくんとメドベージェワのいちゃいちゃシーン。
まあ、どちらかというとメドベージェワの勢いにゆづくんが押されてる感じだけど。
やんわり拒否はしてるけど、メドベージェワはそれに気づいてない様子。
ゆづくん優しいからなあ。
織田さんみたいに気心知れた関係ならハッキリ言えるのに、そんなに面識のないジュニアの子となるとビシッと言えないんだろうな。ましてや女の子となればなおさら。
結局、ゆづくんはあーんと口を開けてそれを受け入れた。
メドベージェワはとっても嬉しそうにゆづくんを見つめていて、そのキラキラした笑顔が眩しい。
メドベージェワ「ユヅル!向こうで座って話しましょ!私、あなたの大ファンなのよ!だから今回会えて本当に嬉しいの!」
結弦「あっ!ちょっと!」
そう言ってゆづくんの腕に自分の腕を絡ませてぐいぐいと引っ張っていく彼女には、まるで私は見えていないみたい。
『ユヅルはロシア女子に人気なのよ?メドベージェワなんてユヅル、ユヅル!って言ってるわ』
ユーリャがそう言ったのはいつだったかな。
ゆづくんが何か言いたそうにこっちを見ていたけど、ここで割って入るのも周りに騒がれそうだし、私は出来る限りの笑顔を作って二人を見送った。
なんかスッキリしないな。
メドベージェワはゆづくんのことをどんな風に見ているんだろう?
『私、あなたの大ファンなの』
そうは言っていたけど、それだけかな?
今日がきっかけで、メドベージェワが本気になったりとか……?
「やめよ。虚しい」
バンケットなんていつもこんな雰囲気じゃないか。
様々な国の人がいるんだし、コミュニケーションのとり方だって様々あって当然だ。
これ以上考えると深みに嵌りそうだから、余計なことは考えないことにしよ。
気分転換でもしようと会場の外に出るドアを開けると、見覚えのある後ろ姿が目に入った。
233人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
優里奈(プロフ) - エミルさん» 嬉しいお言葉……ありがとうございます(*^^*)付き合いたてってこんな感じかなあ……?なんて考えながら二人を動かしてます(*>_<*) (2021年10月3日 6時) (レス) @page21 id: bb1624f74d (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 初々しい二人の好きが溢れていて、可愛いカップルですね!こちらも幸せな気持ちになります(*´ω`*) (2021年10月2日 23時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - らっきさん» わー!ありがとうございます(≧∇≦)らっきさんの作品も楽しく読ませて頂いてますよ〜(*´ω`*)2人がくっつくまでの前置きが長すぎましたね(^ω^;) (2021年9月24日 22時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - こんばんは!いつも読んでます(*^^*)ついに、2人のお付き合いが始まりますね!更新頑張って下さい! (2021年9月24日 21時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - エミルさん» 私も書いていてドキドキしてました〜!一途なゆづくんに春よ来い!ですね( *´艸`)頑張って続き書いて行きます(p`・ω・´q) (2021年9月23日 23時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:優里奈 | 作成日時:2021年9月23日 22時