氷上で煌めく太陽１１

５０６話《GPF2014　バンケット》 ページ15

忙しい……。

バンケットが始まってからというもの、次々と声をかけられてお話したり写真を撮ったり。


ハビ｢A！｣


やっと一息ついたー、と思ったら、ハビがいつもの笑顔で私のところにやってきた。


｢ハビ〜。お疲れさま｣

ハビ｢どう？楽しんでる？｣

｢まあまあかな。そうだ、ハビ。素敵な場所を教えてくれてありがとう。夜景、綺麗だったよ｣

ハビ｢それは良かった！ユヅルから2人が恋人同士になったって聞いてね。お似合いの2人だなって、とても嬉しかったよ。初デート、楽しめた？｣

｢うん。2人でゆっくり過ごせたよ｣

ハビ｢ところで……キスはしたの？｣


ハビ、周りを気にしながら、私にしか聞こえないように……と肩を寄せてヒソヒソ話でストレートにぶっ込んできた。


｢えっ！？｣


ハビの質問に、さっきの事を思い出して顔が熱くなる。


キラキラした瞳で見つめてくるハビ。
これは絶対期待してる……！

なんて答えようか迷っていると、タイミングよくゆづくん登場。


結弦｢ハビ、なんでそんなにAちゃんとくっついてるの｣

ハビ｢ユヅル！ちょうどいいところに！｣

結弦｢え、なに？｣

ハビ｢今ね、Aとさっきのデートのこと話してたんだ｣

結弦｢ああ！ハビありがとね。素敵な思い出ができたよ｣

ハビ｢Aからもありがとうって言われたよ。それで今、2人はキスしたの？ってAに聞いてたとこなんだ｣

結弦｢えっ?!｣


私と全く同じ反応をするゆづくんに、ハビは｢何か変なこと言った？｣とでも言いたげな顔。


｢正直に言っていいのか、ちょっと濁した方がいいのか……なんて言ったらいいかわかんなくて。そしたらゆづくんが来たから｣

結弦｢そっか(笑)｣


納得したように頷いたゆづくんは、｢俺が話すよ｣とハビのほうに向き直る。


結弦｢おかげさまで。Aちゃんの唇は、俺がいただきました｣

ハビ｢ワォ！A、ユヅル、良かったね！最高にハッピーな時間を過ごせたじゃないか！｣

｢う、うん……(笑)｣

結弦｢えへへ｣


なんか、改めて言われると恥ずかしいな(笑)


ハビ｢2人ともお幸せに！邪魔しちゃわるいから、僕は向こうに行ってくるよ｣


そう言い残して、ハビはウインクをしてどこかに行ってしまった。


｢ゆづくん、ハッキリ言っちゃってよかったの？｣

結弦｢ハビは言いふらしたりしないよ｣

｢そっか｣


ゆづくんとハビの信頼関係が見えた気がして、ちょっと嬉しくなった。

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