５０３話 ページ12
｢っくしゅん！｣
結弦｢あ！寒かった！？ごめん、俺気づかなくて……｣
ゆづくんが慌てた様子で自分の上着を脱ぐものだから、私は全力で止めた。
｢いいよ！それ脱いだらゆづくんが寒いし！｣
結弦｢俺はいいよ｣
｢良くない。ただでさえケガ明けなのに。もっと自分のこと大事にしてよ｣
結弦｢でもAちゃんが……よく考えてみれば１２月だもんな。さすがに夜は寒いよな……｣
Aちゃんと二人になることしか考えて無くて、寒さのことなんてこれっぽっちも頭になかった……とうなだれるゆづくん。
その姿がなんだか可愛くて、思わず笑ってしまった。
結弦｢超かっこわるいじゃん俺……｣
｢そんなことない。完璧じゃないほうが、可愛くて好きだけど｣
結弦｢可愛いって言われてもあんま嬉しくないんだけど｣
｢私的には褒め言葉なんだけどなあ。ゆづくんはスケートすごく上手だし、人気者だし、イケメンだし、20歳とは思えないくらい人間出来てるし……非の打ち所が無いよりは、どっか抜けてるほうがキュンとするけど｣
結弦｢……ほんと？｣
｢うん。完璧な人は、息が詰まっちゃうもん｣
結弦｢へへ……。じゃあいっか。それじゃあさ、こうしよ？｣
そう言ってゆづくんは私の後ろに回って、包み込むようにギュッと抱きしめてきた。
耳にゆづくんの息がかかって、ちょっとくすぐったい。
結弦｢どう？あったかい？｣
｢うん。でもこれじゃゆづくんの顔が見えないよ(笑)｣
結弦｢あ、そっか｣
くるりと向きを変えてゆづくんと向き合うと、思ったよりも近い距離でゆづくんと視線がぶつかる。
なんか照れくさくて、お互いにフッと笑って視線をそらしたりして。
結弦｢Aちゃん、俺いま超しあわせ｣
｢私も。さっきよりも今のほうが、ゆづくんのこと好きになってる｣
結弦｢まじで？｣
｢まじで｣
結弦｢ソチのときの俺に言ってやりたい。諦めなくてよかったねって｣
｢狙った獲物は逃さない射手座なんでしょ？｣
結弦｢うん。Aちゃんのことも絶対に逃さないし｣
絶対、大切にする。
今まで見たこと無いくらい優しい目をして、ゆづくんの手がほっぺたに触れる。
『大好きだよ』
私にしか聞こえないくらいの小さい声でささやくと、お互いの唇が遠慮がちに重なった。
ドキドキしてゆづくんのジャケットをギュッと掴むと、それに応えるようにゆづくんが私を抱きしめる腕にも力が入る。
寒さなんて感じないくらい、幸せで胸がいっぱいだ。
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優里奈(プロフ) - エミルさん» 嬉しいお言葉……ありがとうございます(*^^*)付き合いたてってこんな感じかなあ……？なんて考えながら二人を動かしてます(*>_<*) (2021年10月3日 6時) (
レス) @page21 id: bb1624f74d (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 初々しい二人の好きが溢れていて、可愛いカップルですね！こちらも幸せな気持ちになります(*´ω｀*) (2021年10月2日 23時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - らっきさん» わー！ありがとうございます(≧∇≦)らっきさんの作品も楽しく読ませて頂いてますよ〜(*´ω`*)2人がくっつくまでの前置きが長すぎましたね(^ω^;) (2021年9月24日 22時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - こんばんは！いつも読んでます(*^^*)ついに、２人のお付き合いが始まりますね！更新頑張って下さい！ (2021年9月24日 21時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - エミルさん» 私も書いていてドキドキしてました〜！一途なゆづくんに春よ来い！ですね( *´艸`)頑張って続き書いて行きます(p`･ω･´q) (2021年9月23日 23時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優里奈 | 作成日時：2021年9月23日 22時
