480話 ページ39
リハーサルの後にホテルに戻ってきて、ジュニアの子たちも交えて一緒に晩ごはん。
私は年の近い子たちと交流できるのを楽しみにしてたんだけど、ジュニアの子たちは緊張してる様子で口数が少ない。
私の1個上の中塩美悠ちゃんでさえ、表情がこわばってるのに……
唯一、昌磨くんが黙々とお肉を頬張っている(笑)
結弦「ねえ、せっかくみんなで集まったのに、こんなお通夜みたいな雰囲気やめようよ(笑)」
「ゆづくんが目の前にいるから緊張してるんじゃない?」
結弦「俺!?なんで?!」
「だって羽生結弦だよ?オリンピック金メダリストだよ?ワールドチャンピオンだよ?そんな人が目の前にいたらそりゃ緊張もするよ」
結弦「そんなん言ったら、Aちゃんだってオリンピック金メダリストじゃん」
「私とゆづくんを比べないでよ〜。シニアでのキャリアが違いすぎる!」
結弦「シニア2年目でファイナルも全日本もオリンピックも制覇してて何言ってんの」
そっちのが凄いじゃん、とゆづくんに言われて、でも……と返す言葉を探すけど出てこない。
ゆづくんが勝ち誇ったような顔をしてて悔しいっ。
樹「ゆづ、加賀美さん。ジュニアの子たちが困ってるよ」
昌磨以外、と言われてハッと我に返る。
みんなの方を見ると、気まずそうな顔でこちらを見ていた。
昌磨くんは、マイペースにお肉を食べてる。
結弦「Aちゃんが変なこというから〜」
「なんで!?だって目の前に羽生結弦がいたら緊張するよね?ね?」
結弦「じゃあAちゃんもいつも緊張してんの?」
「へ?」
結弦「いつもいるじゃん。目の前に。緊張すんの?」
「それは……」
あれ?
なんで「そんなわけないじゃん」って即答できないんだろ?
「え……っと、」
結弦「Aちゃん……?」
樹「加賀美さん?顔赤いけど大丈夫?」
どうしよ。
みんなの視線が私に集まってる……!
これじゃまるで、緊張してますって言ってるようなもんじゃん。
「ごめんなさい!ちょっと移動の疲れが出てきたかも。部屋戻ります!」
結弦「えっ、Aちゃん!?」
ガタ、と席を立って、逃げるように自分の部屋へと戻った。
やだな。
みんな絶対怪しんでる。
明日、どんな顔して会えばいいんだろ……。
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優里奈(プロフ) - エミルさん» 書いててちょっと(ほんのちょっとだけど)辛かったですー(:_;)やっぱり仲良しの二人が好きなので(^^)ここからはどんどん話が進んでいく予定です♪時間が許す時は、どんどんお話書いていきますね! (2021年9月5日 22時) (レス) id: bb1624f74d (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 主人公に厳しい展開にハラハラしましたが、羽生くんと仲直りできてよかったです(*´ω`*) 更新楽しみにしていますね。 (2021年9月5日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優里奈 | 作成日時:2021年9月4日 11時