476話 ページ35
結弦「カナ!Aちゃん!」
今まさに話題にあがっていた本人の登場で、一瞬ドキッとする。
やだなあ……佳菜子ちゃんがあんなこと言うから、変に意識しちゃうじゃん。
佳菜子「お、噂をすればなんとやら……だね」
スーツに身を包んだゆづくんが、ニコニコしながら私達のところにやってきた。
試合中はスケジュールの都合で会えなかったから、ゆっくり会うのは大会期間中で初めてだ。
佳菜子「ゆづ、ケガはもういいの?」
結弦「んー、まあまあ。ファイナルまでには完璧な状態にもってくし。あ、その節はご心配おかけしました」
かわいくペコッと頭を下げるゆづくん。
なんだろ。
試合の時とのギャップがありすぎて、たまに同一人物かと疑いたくなる。
結弦「Aちゃん聞いた?ハビが美姫さんと真剣に付き合い始めたって」
「あー、さっき佳菜子ちゃんから聞いたとこ」
結弦「そっか。あの二人もお騒がせカップルだよなー。新潟の件、筋違いだって分かってても、あん時はまじでハビのこと恨みそうになった(笑)」
「二人してぐちゃぐちゃだったよね(笑)」
今だから笑って話せるけれど、あの時は本当にゆづくんやハビとの関係がだめになったと思ってひどく落ち込んだっけ。
佳菜子「ねえ、二人で盛り上がってるとこ悪いんだけどさ、カナがいること忘れてない?」
そう言われて、ゆづくんと二人で佳菜子ちゃんに視線を移す。
だけど佳菜子ちゃんは拗ねてるとかいう風ではなくて、むしろ……ニヤニヤしてる?
佳菜子「カナ、お邪魔っぽいから無良くんのとこ行ってくるね〜」
「あっ、佳菜子ちゃん!」
私の声なんて無視して、佳菜子ちゃんはさっさとどこかへ行ってしまった。
残された私とゆづくん。
どうしよっかとお互いの視線がぶつかる。
その瞬間、胸のあたりがギュッと苦しくなるような、なんとも言えない感覚が。
結弦「ん?どうかした?」
コテン、と首を傾げるゆづくんを直視できなくて、思いっきり目を逸らしてしまった。
「なんでもない……」
さっき佳菜子ちゃんが変なこと言うからだ。
私が、ゆづくんのことを男の人として好きとか……
「ないないないない!」
結弦「え、Aちゃんどうしたの」
「あっ、……ごめん。なんでもない。ちょっと考え事してた(笑)」
思いっきり変なとこ見られた(笑)
不思議そうな顔をしてるけど、深くツッコんでこないゆづくんに感謝だわ。
どうした、私!
今ゆづくんの顔、まともに見れる自信ない。
477話《2014 グランプリファイナル in バルセロナ》→←475話《2014年 NHK杯 バンケット》
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優里奈(プロフ) - エミルさん» 書いててちょっと(ほんのちょっとだけど)辛かったですー(:_;)やっぱり仲良しの二人が好きなので(^^)ここからはどんどん話が進んでいく予定です♪時間が許す時は、どんどんお話書いていきますね! (2021年9月5日 22時) (レス) id: bb1624f74d (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 主人公に厳しい展開にハラハラしましたが、羽生くんと仲直りできてよかったです(*´ω`*) 更新楽しみにしていますね。 (2021年9月5日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優里奈 | 作成日時:2021年9月4日 11時