473話【結弦side】 ページ32
画面越しに会うAちゃんは、時間的にももう寝る前だったのかな。
長い髪をおろしていて、ラフな部屋着っぽいのを着てる。
あの事故の後、俺の容態を知らせるニュースが全国に流れてすぐにカナから連絡が来た。
『生きててよかったね!まじで心配したよー。ゆづ、やっぱあんたバケモンだね(笑)』
この文面を見た時、カナらしい言い回しだなってクスッと笑ってしまった。
でもそのあとのメールを見て、なんとも言えない気持ちになったんだ。
『Aちゃんもすごく心配してたよ。「辛いのはゆづくん。私が泣くのは違う」って言って、ずーっと泣きそうなの我慢してさ』
エキシのリハの時だって、元気無くて必死で励ましたんだから!と、カナが俺のいない間のことを色々教えてくれた。
そんな話聞いたら、少しでも早くAちゃんに会いたくなって。
直接は会えないけど、俺は無事だよって伝えたかったし、Aちゃんの元気な姿を見たかった。
《あの時は、ゆづくんが死んじゃう!ってすごく怖かった。……棄権しなかったのもびっくりしたし、演技中はそんなに動いたらもっと体を痛めちゃうよ!って気が気じゃなかった》
そう言って困ったように眉を下げたAちゃんは、「でもそれがゆづくんらしいとこでもあるかな、って思った」と小さく笑った。
結弦「周りではいろいろ言われてるみたいだけど、俺は後悔してないよ。心配掛けたことは本当に悪かったなって思う。でも俺は大丈夫だから」
《NHK杯は、出場できるの?》
結弦「んー……そこはまだなんとも言えない」
《そっか……》
結弦「でも俺は出たい。ていうか出るつもりでいるから。また日本で会おうね」
《……うん。ね、ゆづくん》
結弦「ん?」
《絶対、二人でファイナル行こうね》
画面の向こうで小さくガッツポーズをするAちゃんが可愛くて、思わず顔が綻ぶ。
結弦「あたりまえ。俺の目標はファイナル連覇だから。Aちゃんもでしょ?」
《あたりまえ》
俺の言い方を真似してドヤ顔をしてくるAちゃん。
なんだか可笑しくて、二人であはは!と笑ってしまった。
《ゆづくんどうしてるかな?って思ってたとこだったから、話せてよかった》
結弦「俺も。Aちゃんの笑った顔が見れて安心したよ。そっち、もう寝る時間でしょ?あんま遅くなんないうちに寝なね」
《うん。じゃあ、またね》
ほんの数分のやりとりだけど、Aちゃんと話せて心が満たされた。
NHK杯、絶対出てやる。
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優里奈(プロフ) - エミルさん» 書いててちょっと(ほんのちょっとだけど)辛かったですー(:_;)やっぱり仲良しの二人が好きなので(^^)ここからはどんどん話が進んでいく予定です♪時間が許す時は、どんどんお話書いていきますね! (2021年9月5日 22時) (レス) id: bb1624f74d (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 主人公に厳しい展開にハラハラしましたが、羽生くんと仲直りできてよかったです(*´ω`*) 更新楽しみにしていますね。 (2021年9月5日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優里奈 | 作成日時:2021年9月4日 11時