検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:118,116 hit

460話 ページ19

公開練習のあと、インタビューを数件こなして今日の予定がすべて終わった。


このあと、ゆづくんにダイニングでご飯をおごってもらうのを楽しみにしながら、私も帰り支度を済ませる。


荷物を持ってロビーへ向かうと、ゆづくんが能登さんと立ち話中だった。


「能登さん!お疲れさまです」

能登「おつかれさん。今日はいい写真がたくさん撮れたよ。ありがとうね」

「いえいえ。こちらこそ、素敵な写真を撮ってもらってるので。ありがとうございます」

結弦「今ね、能登さんから好きな写真一個だけあげるよ、って言われてさ。選んでたとこ」

能登「仕事用はもうデータにして送ってあるから、気に入ったやつがあったらAちゃんもどうぞ」

「いいんですか!?やった!てかもう仕事用の写真送ったんですか?仕事が早いなあ」

能登「迅速な対応が信頼を生むからね」



そんなやり取りの中で、ゆづくんとあーだこーだ言いながら1枚ずつ選んだ。
それを見た能登さんは、


能登「二人、ほんとに仲がいいんだね(笑)」

「そうですかね?」

能登「二人が選んだ写真を見たら分かるよ」


私が選んだのは、能登さんから借りたカメラで撮った写真を、ゆづくんと二人で確認しているところ。
カメラの液晶を覗き込む私達の顔が同じ表情をしてて、なんかくすっと笑ってしまった。


ゆづくんが選んだのは、リンクの真ん中あたりで、二人で右手を前に差し出しているところ。


「……これ、私がゆづくんにダメ出し食らったときじゃん」


ゆづくんのオペラ座の怪人の振りを真似したら、「手の位置が違う!」って本気のダメ出ししてきたやつ。


能登「結弦くんもAちゃんも、二人で写ってるの選んでる。てっきり自分の練習中の真剣な表情でも選ぶかと思ったけど……これは二人で過ごした時間を、形として残したいってことなのかな?って」

結弦「なんですか、その意味ありげな言いかた(笑)なんか探ろうとしてます?」

能登「いやあ(笑)それはどうかな?」

結弦「いくら能登さんでも、そう簡単には喋りませんょ」

能登「それは残念(笑)」


じゃ、写真のデータを後で送っておくね、と言って、能登さんは帰っていった。


「……ねえ。意味ありげな言いかたってなに?」

結弦「んー?ないしょ!」


もうこの返しはゆづくんの定番みたいになっていて、またかよ……と思いつつ、どうせ大したことじゃないだろうなと深くツッコまないことにした。

からかわれてるみたいで悔しいけど。

461話→←459話【結弦side】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (56 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
199人がお気に入り
設定タグ:羽生結弦 , 宇野昌磨 , フィギュアスケート   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

優里奈(プロフ) - エミルさん» 書いててちょっと(ほんのちょっとだけど)辛かったですー(:_;)やっぱり仲良しの二人が好きなので(^^)ここからはどんどん話が進んでいく予定です♪時間が許す時は、どんどんお話書いていきますね! (2021年9月5日 22時) (レス) id: bb1624f74d (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 主人公に厳しい展開にハラハラしましたが、羽生くんと仲直りできてよかったです(*´ω`*) 更新楽しみにしていますね。 (2021年9月5日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:優里奈 | 作成日時:2021年9月4日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。