氷上で煌めく太陽 (ページ21)

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２０話ページ21

エキシビジョンでは世界ジュニア選手権枠があったんだけど、私は今大会のメダリストとして登場することになった。

私が？いいの？お客さんはもっと、真央ちゃんや高橋選手、羽生くんを見たいんじゃないの？って思ったんだけど……

明子｢Aちゃんの演技、大歓声だったの知らないの？｣

大輔｢結果残してるんだから、誰も文句言わないよ｣

真央｢うんうん。真央もAちゃんの演技みたいなあ〜｣

そう大先輩に言われちゃった。
さらに、

結弦｢こんな風に言われたら、出ないわけにはいかないよね〜｣

と爽やかな笑顔で言う羽生くんのダメ押しで、私はメダリストとして演技させてもらうことに。

メダリストという響きがくすぐったい。

今までだってジュニアの大会で何回もメダルを取っているのに、シニアの大会っていうだけでこんなに重みが違うものなのかな？

MOIでは、最初に銅メダリスト同士ということで羽生くんとキスクラでちょっとしたトークをすることに。

羽生くんは世界選手権へむけて、私は世界ジュニア選手権へ向けて意気込みを語った。

羽生くんは17歳とは思えないくらいしっかりした話し方で、そんな羽生くんのあとに話すのがちょっとプレッシャーだった。

案の定、私は噛みまくって後半は何を言ってるか分からなくなって、羽生くんから助けられる羽目に。

もう、苦笑いしかないよね。

｢あの、さっきは私のグダグダな喋りをフォローしてくれてありがとうございました｣

結弦｢いいのいいの。すごく緊張してたでしょ？初めてなんだもん。しょうがいないよ｣

｢でも羽生選手はすごく落ち着いてるし……や、私より場数踏んでるから当然なんだけど、｣

結弦｢俺そんなに落ち着いてないよ(笑)やっぱ緊張はするよ？｣

｢さっきもしてたんですか？｣

結弦｢うーん……さっきはどうかなあ？加賀美さんと一緒だったから、あんまり緊張しなかったかも｣

そう言ってニコッと笑うものだから、私もつられてヘラッと笑う。