19話 ページ20
結弦「えっ!うそ!大丈夫!?」
いきなり泣いてしまった私に、当然羽生くんはびっくりするわけで。
ハンカチとかじゃなくてゴメン、と言いながら、自分がつけていた手袋で濡れたほっぺたを拭ってくれた。
そしてタイミングがいいのか悪いのか……その瞬間を村上選手に見られてた。
佳菜子「あー!ゆづがAちゃん泣かせてる!」
結弦「はあっ!?違うって!」
村上選手の一言に、みんな一斉に私のほうを見る。
大輔「ゆづ……女の子泣かせるなんてひどい男だな」
真央「Aちゃんのこと、いじめたの?」
佳菜子「しかもみんなの輪から外れて抜け駆け?!」
結弦「や、みんな違うし。カナに至っては意味分かんないし」
「あの!違うんです!私が団体で滑るの初めてでうまく出来なくて……一人で練習してたところに、羽生くんがアドバイスしてくれて。一緒に練習してくれたんです!」
羽生くんの汚名返上&名誉挽回のために、これまでのいきさつを説明した。
真央「なあんだ。そうだよね。ゆづがそんなことするわけ無いよね」
大輔「でもAちゃんの涙にゆづが関わってるのは間違ってないよね?」
佳菜子「ゆづの優しさがAちゃんを泣かせたんだ!」
結弦「優しくしちゃダメなのかよ」
一応、羽生くんの疑いは晴れたけど、後々まで茶化される羽生くんがちょっとかわいそうだった。
羽生くんのおかげでその後の練習は順調に出来て、残すは個人の演目のリハーサルだけとなった。
355人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:優里奈 | 作成日時:2021年4月13日 22時