氷上で煌めく太陽 (ページ4)

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３話ページ4

日本中があの衝撃的な出来事の混乱が収まらない中、私はスケートができることに感謝しながら、さらなる高みを目指して練習に励んだ。

練習前のルーティンに、新しく追加したことが一つある。

被災地へ向かっての黙祷。

最近、亡くなった仲間の家族から連絡が来た。
親戚のいる九州に引っ越したと。
被災した自宅を片付けていたとき、私と一緒に撮った写真がアルバムとして残っていたらしい。
奇跡的にすべての写真が見られる状態で残っていたから、引っ越した先で娘に見せるよ、Aちゃんは頑張ってるよって伝えるね、と言ってくれた。

もう、涙が止まらなくて、もっともっとスケートを頑張ろうって思った。

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ジュニアに上がってから挑戦してきた４回転ジャンプ。

まだ練習でしかやったことがなくて、成功率もトリプルアクセルに比べたら２割程度。

もっと４回転の成功率を上げたくて、世界で活躍する選手のジャンプ動画や資料を見て研究をした。
来年、15歳になったらシニアに転向するつもりだから、それまでに4回転はものにしたい。

そう思いながら練習してきた2011ー2012シーズンの初め。

コーチ｢全日本のフリーに4回転入れてみようか｣

コーチの考えでは、トゥーループの成功率が上がってきたので実践で試してみたいとのこと。
練習でやるのと、実際に試合でやるのでは全然感覚が違うからね。

｢やる！やりたい！｣

コーチ｢でもまだ軸がブレるときがあるから、助走や踏み切りのタイミングを完璧に覚えること。体安定させるために体幹ももっと鍛えて｣

｢わかった！｣

やった！
試合で4回転が跳べる！

新しいことに挑戦するのはとても楽しみだ。
よく真奈に｢失敗したらどうしよう、とか考えないの？｣なんて聞かれるけど、そんなの考えたことない。

だって、失敗したらそれが今の私のレベルだって知ることができるから。
どこがダメだったのか、改善点を見つけることができるから。
それが、次へのステップになる。