君の見つめる先にいつもいれたら (ページ3)

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☆ ページ3

「お疲れさん」

「おつかれー、またなー」.

今日のメンバーでの撮影が終わってみんなそれぞれが挨拶を交わして楽屋から出て行った。

今日の仕事はこれで終わりだから俺はゆっくり帰り仕度をしてるんだけど。

同じく今日の仕事はこれで終わりらしい隣でスマホをいじる高木が気になる。

今はまだ５時。

このまま家に直行するには早い時間だし。

高木、まっすぐ家に帰るのかな。

ご飯誘ったらオッケーしてくれるかな。

正直誘う勇気なんてないくせに、なんだかこのまま帰りたくもない。

どうする？

ああ、もう少し一緒にいたいのに思うように声が出ない。

「いのちゃーん。この後暇？」

俺がウジウジモジモジしていたら、後ろから元気な声がする。

「暇なら飯いかね？」

俺の肩に手を置いて顔を覗き混んでくる大ちゃん。

「山田は？」

楽屋を見渡して山田を探すけど見当たらない。

「山田この後仕事だからさっき帰ったよ。」

大ちゃんが寂しそうに言う。

「寂しんだ？」

冷やかすようにオレが言うとうるせーよってパンチするフリをして笑う大ちゃんの顔がホントに寂しそうで、

「行きますか！」

と、大ちゃんの頭をわざと乱暴にわしゃわしゃすると嬉しそうにやめれ！と笑う大ちゃん。

大ちゃんのことも大好きだから、寂しそうな大ちゃんは放っておけないんだ。

そんな様子のオレ達を見ていたのか隣にいた高木が、

「ホント仲良いねー。妬いちゃうわ。あはは、おつ
かれー」

と軽く手を振って出て行った。

きっと深い意味なんてない。

わかってる。

でも、気になるんだ。

誰に対して妬いちゃうんだよ。

ついつい無意識で、高木を目で追ってしまっていた。

「いのちゃんも、寂しいの？」

急な大ちゃんの問いかけにびっくりして大ちゃんを見ると、困ったようなこれまた切ない顔してにっこり笑った。