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1話、かも ページ2
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屋上には、無言で向かい合う男女がいた。
男の方は正座をしていて、女の方は仰向けになり、目を開けているがこちらには一瞥もくれない。
｢えっと……｣
沈黙に耐えきれず先に口を開いたのは男の方だった。緑谷出久、という緑頭の少年だ。
｢なんで飛び降りたの……？｣
いきなり本題をぶっ込んで来るあたり将来大物か……？くらいの度胸を感じるが、ただうっかりしていただけのようでその後慌てて訂正する。
｢あっ、いや、言いたくなかったら、べつに……いいんだけど｣
語尾に行くにつれだんだん声量が小さくなっていく喋り方からは、屋上から飛び降りる少女の手を掴み引き上げるという大胆な行動力のかけらも感じない。
｢じゃあ言わない方向で｣
｢あ、ハイ……｣
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作者名：あんドーナツ | 作成日時：2021年6月17日 7時
