【江戸川乱歩】何故か事務員の私が名探偵様に揶揄されている

平手打ち ページ15

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やってしまった......。私の中にズシンとのしかかる、後悔という文字。目の前には、腫れた頬を氷で冷やす、不機嫌そうな乱歩さんの顔。


「あのぉ......乱歩さん、この都度は誠に申し訳ありません......」


皆様御察しの通り、私はテンパって、思わず乱歩さんを平手打ちしてしまったのだった。物凄くやばい。特に、この人に平手打ちとか。


「べっつにいいけどさぁ？ でもさ、A照れすぎだよね。壁ドンして、ちょ〜〜と揶揄(からか)っただけじゃん？ それで、テンパって平手打ちぃ？ 大袈裟でしょ。」


否否、ちょっと揶揄う？ 乱歩さんにとっては、そうかもしれないけど、私にとってはものす〜〜〜ごく揶揄われましたけど！？ 1年は寿命縮みましたっ！


「なんでそんなに照れるのか、全くわからないんだけど。」


「なっ！ だって、乱歩さんみたいな方に、冗談でも告白されたら......！」


「されたら？」


ニヤァっとして、乱歩さんが云った。私の口から続きの言葉が出てこない。これは......また揶揄われてる......！


「否、あの、お、お、お、怒りますよ！？ 頭に血が上って！！」


私は、意味不明なことを口走ってしまった。更に、乱歩さんの口元が釣り上げる。


「へぇ。怒るんだ〜？ 僕には違うように見えたんだけど。じゃあさ、もう一回やって検証してみよっか。」


「え、ちょ、乱歩さんっ！！！！！！」

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