【江戸川乱歩】何故か事務員の私が名探偵様に揶揄されている

揶揄い方 ページ13

*


「うーん......揶揄(からか)う......揶揄う......」


休憩室に1人。私は乱歩さんを揶揄う事で、悩んでいた。正直、すごく莫迦な話なんだけど。まず、乱歩さんを揶揄える自信が何処にも無い。悔しいけど、乱歩さんの方が1枚も、2枚も3枚も上手なのだ。


「美しいAさん。何を悩んでいるのです？」


片膝をつき、キラキラオーラを発しながら口説き文句を呟くのはまさしく......


「......太宰さん。休憩ですか？」


まぁ、この人は何時もサボっているから、休憩も糞も無いんだが。......そういえば、、太宰さんは乱歩さん並に頭が良い......そんなことがあった気がするから、この事を相談してみるか。


「太宰さん。ちょっと今、色々有って乱歩さんを揶揄(からか)わないと、いけない状況になっておりまして......」


「ぷっ、何時も揶揄(からか)われているAさんが、逆に乱歩さんを揶揄う？」


太宰さんはクスクスと笑い出す。


「わ、笑うことないじゃないですかっ！ 報告書の為に、真剣なんですよ！！」


「ふふっ、御免なさい。揶揄う方法なんて簡単じゃないですか。乱歩さんが普段、Aさんに言ってることを、言うだけです。」


「あ」


何だ、凄く簡単なことだったんだ。揶揄われているのを、逆手にとるんだ。


「太宰さん、有難うございますッ！！」


私はお礼を言い、乱歩さんの所へ駆け出した。



「まっ、無理でしょうけど。」


と太宰は呟いた。

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