眩むほど、青く。 (ページ9)

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『.......えっ？？？？ここって3年2組だよね？』

放課後、保健委員会の集まりが開かれる3年2組へやって来た私は、その教室の片隅で頬杖ついて座っている人物を見て自分の目を疑った。

「何言ってんだA？」

委員会は基本的に１クラス２人までなることができ、男女比に偏りがない限りは男女１人ずつのペアで所属する。私のペアも勿論男子で、私のアホみたいな質問に彼は怪訝そうな顔をした。慌てて『なんでもない』と取り繕って近くの席に着く。

すぐに3年の委員長が各クラスの委員の出欠をとって、委員会が始まった。
今日は軽い顔合わせと保健委員の主な業務説明だけらしく、ものの10分ほどで解散となった。

「これからよろしくな、A。」

『うん、こちらこそ。また明日ね。』

ペアの男子とはその場で分かれて、
問題の彼が座っている席の前に行って仁王立ちをする。私の登場に気付いた彼は私を見上げて片手を挙げた。

「よっ」

『なにやってんの。風紀委員さん。』

そう。保健委員の集まりにしれっと出席していたのは、ここにいないはずのとしみつだった。

「うちのクラスの保健委員と交換してもらった」

『いや、だからなんで！？』

「そんなん...あれだろ...」

何故か急に歯切れが悪くなったかと思えば、フイ、と私から視線を外し、いきなり立ち上がってさっさと歩き出してしまう。

『ちょ、どこ行くん！』

「てつや待ってんだろ。」

『ええ！？質問の答えは！？』

慌てて自分のカバンを引っ掴んでその背を追いかける。私が自らの横に並んだのをチラリと確認したとしみつは、渋々といった様子で口を開く。

「...まあほら、保健委員楽そうだし。風紀委員は朝から校門の前で身だしなみチェックしなきゃならんらしいし？？俺朝起きれんやん。」

『何その理由～。不真面目だわ。』

「...ったく。いいから早く帰るぞ！」

どうやら機嫌を損ねてしまったらしく、としみつの歩くスピードがさらに上がる。
なんだか釈然としない理由だったけれど、幼馴染といれる時間が少しでも増えるのだから良しとしよう。私はそう自己完結して、同じ様に歩くスピードを上げた。
ちなみにこの後てつやは、私からこの話を聞いて爆笑し、としみつに怒られていた。

ーーそう。このとき、不器用な幼馴染が隠した優しさに、私だけが気付かなかった。

本音は全て葬って
("お前が寂しそうだったから")(なんて言えないだろ)

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